新装版 夜中の薔薇

新装版 夜中の薔薇

向田 邦子

出版社:講談社 出版年月日:2016/02/13

講談社 | 2016/02/13

4.30
本棚登録:39人

みんなの感想

感想

管理職になってから、人間関係の機微や日々の葛藤について深く考えることが増えました。この新装版『夜中の薔薇』はそんな時期に手にした一冊です。 著者のエッセイは、一見ちょっとした日常の出来事から始まるのですが、そこには人生を歩む上での本質的な問いかけが隠されています。手袋を探し求める話から始まる「やせ我慢」と「自分らしさ」のテーマは、仕事で妥協を強いられることの多い立場にいる私にも深く響きました。 特に良いのは、著者が凛とした自己主張を貫きながらも、周囲の人々を優しい眼差しで見つめているところです。管理職として部下たちと接する際、ついつい厳しくなってしまう自分を省みるきっかけになりました。 新装版は文字が大きく、カバーの絵も素敵で、読みやすさの配慮が嬉しい。忙しい日常の中でも、短編ずつ気軽に読み進められるのも魅力です。著者の最後のエッセイ集だからこそ、その言葉一つ一つが心に留まります。疲れた心をやさしく癒してくれる、そんな一冊です。

感想

著者の突然の訃報を知ったのは、テレビのニュースだったと記憶しています。その直後、「最後のエッセイ集」という言葉に惹かれて、このあたらしい新装版を手に取ってみました。 日常のなかで見落としがちな小さなことへの向き合い方が、これほど丁寧に、そして温かく描かれている作品は珍しいと思います。手袋を探すというささやかな出来事から始まる物語たちは、一見ちょっとした話のようですが、読み進めるうちに、人生全体を見つめ直させてくれるような深さを感じました。 新装版は文字が大きく、活字が得意でない日にも無理なく読み進められるのが嬉しい工夫です。カバーの絵も柔らかく優しい雰囲気で、手元に置いておきたくなるデザイン。著者の優しい眼差しが隅々まで行き届いたエッセイ集だからこそ、装丁もそれに相応しいものになっているのだと思います。 主婦として生活していると、日々の細かなことに疲れてしまう瞬間があります。そんなときに、この本を開くと、心がふわりと軽くなる。著者と一緒に、ありふれた人生のなかに美しさを探す時間は、何物にも代え難い贈り物です。

感想

新装版『夜中の薔薇』を手に取ったのは、著者が急逝した後も多くの読者に愛され続けているという噂を聞いたからです。半ば恐る恐るページをめくりましたが、その優しさと力強さに引き込まれてしまいました。 手袋の話から始まるエッセイ集ですが、これは単なる身の回りの出来事を綴ったものではありません。著者は、日常の細部に潜む人間の本質を見つめ、それを素直な言葉で表現しています。54年間の人生経験を積んだ私だからこそ、その叙述の奥行きがよく理解できるのだと思います。 何度も立ち止まって同じ段落を読み直してしまいました。それは著者の「凛として自己主張を貫いた」人生姿勢が、どこか自分自身の歩みとも重なって感じられたからです。また、ありふれた人生への眼差しの優しさには、思わず胸が熱くなりました。 新装版は文字が大きく、装丁も品良くまとめられています。丁寧に作られた本だという印象です。著者最後のエッセイ集だからこそ、今このタイミングで出会えた喜びをかみしめながら読み進めました。多くの人に読まれるべき一冊だと確信しています。

感想

話題になっていたから読んでみたんですけど、正直なところ思ってたのと違う印象でした。エッセイ集ということで、もっと著者の人生哲学みたいなものが詰まった深い作品なのかなって期待していたんです。 実際に読んでみると、日常のささいな出来事をテーマにしたエッセイが集められていて、確かに優しい眼差しで世界を見つめてるなって伝わってくるんですよ。手袋の話とか、人々の日常風景とか、どれも丁寧に書かれているし、文字が大きくて読みやすいのも新装版の配慮が感じられます。 ただ、個人的には物足りなさが残りました。エッセイ一つ一つが短くて、もう少し深掘りされた内容があってもいいのかなって思うし、著者の人生観がもっと強く打ち出されていたら、もっと心に響いたんじゃないかな。可もなく不可もない、という感じですね。 新作が読みたいという気持ちにはなりませんでしたが、話題作を読んでおきたい人や、さっと読めるエッセイを探してる人には悪くない一冊だと思います。

感想

新装版ということで手に取ってみたのですが、正直なところ、エッセイ集として特別に心を掴まれることはありませんでした。著者の人生観や人間観が丁寧に綴られているのは確かで、読んでいて悪い気分にはならないんです。むしろ淡々とした筆致で日常の中の小さなことを拾い上げる姿勢は好感が持てます。 ただ、管理職という立場で毎日をこなしていると、こうした静謐な世界観にどっぷり浸かるのは難しい。短編的に読めるエッセイだからこそ、寝る前に軽く読むのには向いているんでしょう。新装版は装丁も美しく、文字も大きくて読みやすい。その辺りの工夫は十分に感じられます。 著者最後のエッセイ集ということで、ある種の完成形を期待していた部分もあるかもしれません。決して悪い本ではないのですが、何か心に残る決定的な一編に出会えなかったのが正直なところです。万人向けというより、著者の世界観に共鳴できる読者層に響く作品なんだと思います。

感想

新装版が出ると聞いて、すぐに手に取りました。以前から気になっていた著者のエッセイ集です。 読んでみると、本当に素敵な一冊でした。著者の人生観が随所に光っており、一つ一つのお話が心にしみ入ります。手袋を探し続けるというテーマから始まるこのエッセイ集は、人生で本当に大切なものについて考えさせてくれます。 何より嬉しいのは、文字が大きく読みやすくなったこと。この年代になると、本を読む際に文字の大きさは本当に大事なんです。新装版のカバーも品があり、飾っておくだけで気持ちが良くなります。 著者の突然のご逝去の後も、この本を通じて著者の温かく凛とした視線が感じられます。ありふれた日常の中にある美しさや優しさを見つめる著者の眼差しが、こんなに時を経ても読者の心を掴んで離さないというのは、本当に素晴らしいことだと思います。 パート帰りのほっと一息つく時間に何度も読み返しています。お友達にも勧めたくなる、本当に良い一冊です。

感想

新装版ということで手に取ってみたのですが、本当に良かった。大きな文字と美しいカバーの絵というだけで読む気持ちがぐっと違いますね。 エッセイ集なので、短編をさらさらと読んでいける気軽さが魅力です。著者が語る日常の中の小さなこと、誰もが経験しているようなちょっとした違和感や迷い。それが本当に素敵に文章化されている。特に「手袋をさがす」という導入の話が印象的で、完璧な人間なんていないんだなって改めて感じさせられました。 子どもの世話をしながら読んでいるので、一気読みできないのが実は良いんです。一編ずつ味わいながら読むと、著者の優しい眼差しがじんわり伝わってくる。人生経験の重みと、それでもなお人を思いやる気持ちが随所に香っています。 突然の死というのが余計に、この言葉たちの重さを感じさせます。読み終わった後、自分自身の人生にも向き合いたくなるような、そんな一冊。主婦として、いろいろと悩みながら日々を過ごしている自分にとって、心が少し軽くなるような読書体験でした。

感想

何気ない日常の中で、ふっと立ち止まりたくなるようなエッセイ集です。 各編は短めなので、仕事の帰りの電車の中で気軽に読み進められるのが良いですね。著者の視点の優しさが印象的で、「手袋をさがす」という一編から始まる物語たちは、誰もが経験しているのに見落としていた感情や葛藤を丁寧に拾い上げてくれます。 公務員という仕事をしていると、毎日が規則正しく、ついつい周囲に合わせてしまうことが増えます。でもこの本を読んでいると、そうした窮屈さの中でも、自分らしさを貫くことの大切さが伝わってくるんです。著者が「凛として自己主張を貫いてきた」というのは、決してかたくるしいものではなく、むしろ静かで力強い。 新装版は文字が大きく読みやすくなっているのも、長く愛されている本だからこその配慮なんだなと感じます。そして表紙の絵も本当に素敵。手に取るたびに心が少しほぐれるような感覚があります。 疲れた時、何か考えたいことがある時、そっと手に取りたい一冊です。

感想

エッセイ集ということで、図書館で見かけて手に取ってみました。著者の人生経験が綴られているということだったので、大人がどんなことを考えているのか知りたくて読んでみたんですが……正直なところ、ちょっと自分には難しかったというか、感情移入しにくかったです。 短編形式なので読みやすいし、文字も大きくてストレスなく読めたのは良かった。それぞれの話も丁寧に書かれていて、著者の優しい視点や人生観が感じられます。ただ、22歳の著者の話とはいえ、15歳の自分にはどこか遠い世界の出来事に思えてしまって……。大人になったら響く部分がもっと増えるのかもしれません。 新装版ということで装丁も綺麗だし、いつか改めて読み直してみたい気持ちはあります。今の自分には少し早かった、というのが正直な感想ですね。もう数年後に読んだら違う感想になるかもしれません。

感想

エッセイという形式ながら、その奥行きの深さに改めて唸らされた一冊だ。著者が拾い上げる日常の些細な出来事——手袋を探すこと、人間関係の機微、時間の流れ——といった題材から、人生の本質的な問いが静かに立ち上がってくる。 長年フリーランスで仕事をしていると、自分がいったい何を求めているのか、その問いと向き合う場面が増える。本書を読んでいて、著者がまさにそうした問い続ける姿勢で半生を歩んできたのだと感じた。決して派手ではないが、凛とした自己主張を貫いてきた人物像が、文章の端々から伝わってくる。 人々のありふれた人生を優しい眼差しで掬い上げるという説明文に偽りなく、登場する人物たちへの向き合い方に誠実さが満ちている。新装版はカバーの絵も美しく、文字も大きく読みやすいため、何度も手に取る価値がある。突然の死後も多くの読者に愛され続けるのは、こうした不変の人間観察眼があればこそなのだろう。評価の高い理由が実感できた。

感想

エッセイって正直ちょっと敬遠してたんですけど、この本は一気読みしちゃいました。著者の語り口がすごく素朴で、自分の人生経験をありのままに綴ってるんですよ。手袋を探す話から始まるんですけど、そこに込められた想いが深くて。 新社会人の自分には、大人の視点でこの世界を見つめる著者の姿勢が響きました。普通の日常の中に隠れてる大事なことって、こういう風に表現されるんだなって。人生について考えさせられるけど、重くなりすぎないバランスがいいです。 新装版ということで、文字が大きくて読みやすいのも地味に嬉しい。装丁も上品で、本棚に置くと映えます。短編エッセイ形式だから、朝の準備時間とか通勤電車とか、気軽に読める点も良かった。著者の優しい眼差しが感じられる傑作だと思います。

感想

家事をしながら片手で読める本を探していたときに、この本を手に取りました。エッセイ集ということで気軽に読み始めたのですが、一編一編がこんなに心に染み入るとは思いませんでした。 著者が日常のささいなことから紡ぎ出す物語は、本当に優しい。手袋を探すという些細な出来事さえも、人生を考えるきっかけになってしまう。そういう視点の持ち方が素敵だなと感じます。子育てや家事で毎日が繰り返されている感じがしていた自分にとって、著者のように身の回りのことを深く観察して意味を見つけることの大切さを改めて認識させられました。 新装版ということで文字も読みやすく、カバーのイラストも温かみがあって、手に取る度に癒されます。突然の死の後も多くの人に読まれ続けているというのも納得。決して押しつけがましくなく、でも確かに何かを伝えようとしている著者の言葉に、何度も立ち止まって考えさせられました。気軽に読書を楽しみたいときにも、じっくり人生について考えたいときにも、どちらでも寄り添ってくれる一冊です。

感想

久しぶりに良いエッセイ集に出会った。この本は、著者が人生の中で拾い上げた、ささいだけれど誰もが心に秘めている思いを、これ以上ないほど丁寧に言葉にしている。 「手袋をさがす」という冒頭のエッセイから引き込まれた。22歳の冬、気に入った手袋が見つからないばかりに風邪をひくまで諦めなかった若き日の著者。その話から何十年も経った今でも、彼女は「何かを探している」という。その何かが何であるのか、読み進めるうちに理解できるようになる。 仕事をしていると、人間関係の複雑さや社会的な圧力に押しつぶされそうになることがある。だが、このエッセイ集を読んでいると、著者の優しい眼差しに包まれているような感覚に陥る。一人ひとりの「ありふれた人生」に向けられた深い洞察と共感が、ページの隅々に満ちている。 新装版は文字が大きく、読みやすくなっているのも嬉しい。年を重ねた身には助かる配慮だ。著者が突然この世を去った後も、その言葉たちが読者の心に生き続ける理由が、この本を読めばよくわかる。

感想

新装版ということで手に取ってみたのですが、もう本当に良い本です。年を重ねるにつれ、著者のエッセイの言葉がしみじみと胸に届くようになりました。 特に印象的だったのは、日常の中で何か大切なものを探し続けている、そういう人間らしさをさらりと描く筆致です。手袋の話にせよ、ほかのエッセイにせよ、ありふれた出来事のなかに人生の本質を見つけようとする著者の眼差しが本当に優しい。派手さはないけれど、読むたびに心が温かくなります。 私たちパート勤務の毎日も、見つめ直してみると何か大切なものを探し続けているような気がして、それが自分たちの人生なんだなあと思わせてくれる。文字も大きく読みやすいので、じっくり時間をかけて楽しむことができました。著者の最後のエッセイ集ということですが、こんなに素敵な本を遺してくれて本当にありがとうという気持ちです。何度も読み返したくなる一冊です。

感想

最近、話題の本をいろいろ手に取っているなかで、この『新装版 夜中の薔薇』に出会いました。著者が亡くなった後も多くの人に読まれ続けているというのを聞いて、どんな作品なのか興味を持ったのです。 開いてみると、凛とした著者の姿勢が随所に感じられます。気に入った手袋を探し求めた22歳の冬の話から始まるエッセイは、ただの思い出話ではなく、人生を貫く「何かを探し続ける」という本質に触れさせてくれます。一編一編が短くまとまっているので、仕事で疲れた夜でも気軽に読める点が良いですね。 何より素晴らしいのは、著者が他者の人生をどこまでも優しく見つめる眼差しです。ありふれた日常のなかに、誰もが感じているけれど言葉にできなかった感情が静かに立ち上がってきます。新装版は文字が大きく、カバーの絵も美しく、読み心地が本当に良い。55年生きてきて、こういう本に出会うと心が落ち着きます。突然の別れが余計に多くのことを考えさせてくれる、深い作品です。

感想

新装版と聞いて手に取ったんですが、正直なところ著者の名前で最初ぴんとこなかった。ですが読み始めてから、あぁこの人か、この視点か、とようやく思い当たりました。 エッセイ集というと気軽に読めるのが利点ですが、この本は違う。一篇一篇が短いからこそ、そこに込められた深さが光るんです。「手袋をさがす」の冒頭、22歳の冬の話から始まる。見つからない手袋を探し続けた……そんなささいなことの中に、人生そのものを見つめる眼差しがある。 自営業をやっていると、人生って本当に「何かを探し続ける」営みなんだと感じます。完璧な答えなんてない。だからこそ、ここに収められた著者の言葉が胸に響いた。ありふれた日常のなかで、誰もが抱く違和感や寂しさを、こんなに優しくすくい上げている文章って珍しい。 新装版は文字が大きくて読みやすいのも親切ですね。繰り返し読みたくなる一冊です。

感想

話題のエッセイ集ということで手に取りましたが、こんなに心に残る本に出会えるとは思いませんでした。 著者の凛とした姿勢と、同時に人間らしい優しさが全編を通じて感じられます。「手袋をさがす」というタイトルの一編から始まる本作は、私たちが日常の中でどれだけ何かを探し続けているのか、そしてその営みがいかに大切かを静かに教えてくれます。 自営業をしていると、判断の連続で疲れることもあります。けれど、このエッセイ集を読んでいると、人生におけるあふれるほどの選択や迷いも、丁寧に生きることの証なんだと感じられるようになりました。著者が「ありふれた人生を優しい眼差しで掬いあげる」という説明の通り、特別ではない日常の中に光を見出す感性が素晴らしい。 新装版は本当に読みやすく、カバーのイラストも上品です。ページを繰るたびに著者の思考の跡をたどる喜びがあります。突然の別れの後も変わらず支持される理由が、この一冊で十分理解できました。心が疲れた時、もう一度手に取りたくなる本です。

感想

エッセイという気軽に読める形式だからこそ、こういう作品って良いですね。『夜中の薔薇』は、著者の人生経験を通じて「何かを探し続けることの意味」みたいなテーマが静かに流れている。手袋を探す話から始まるんですが、それが単なる日常の出来事ではなく、人生そのものへの向き合い方として響いてくる。 エンジニア的に言うと、無駄なく構成されているというか、一つ一つのエッセイが独立しながらも、全体で大きなメッセージを形作っている感じが素晴らしい。著者の視線が本当に優しくて、ありきたりな人生風景を読んでいるのに、なぜかしんみり考えさせられてしまう。 新装版ということで字も大きく読みやすくなったのは、年を重ねた身としては嬉しいポイント。カバーの絵も確かに美しい。突然の死後も読者を魅了するというのも納得で、このエッセイ集には時間を超えた何かが詰まっている。忙しい日常の合間に、ふと立ち止まって読みたくなるような一冊です。

感想

人生の後半戦に入った今だからこそ、このエッセイ集がしみじみと心に響きました。著者が半生を通じて問いかける「何かを探している」という感覚は、フリーランスという不安定な立場で生きる私にも大いに共感できるものです。 新装版ということで、大きく読みやすい文字組みと美しいカバーのおかげで、ページをめくる喜びが増しています。長く手元に置きたくなるような仕上がりです。 何より印象深いのは、著者の優しい眼差しです。ありふれた日常の中にある小さな違和感や、人々の微細な心の動きを丁寧に救い上げている。タイトルの「夜中の薔薇」という表現も象徴的で、真っ暗な夜間にそっと咲く花のように、目立たないけれど確かに存在する人生の美しさを描いているように感じました。 著者の突然の死を知ったのは購入後でしたが、だからこそこのエッセイ集の重みが一層感じられます。これが遺された言葉であり、いわば最後のメッセージなのだと思うと、一篇一篇が愛おしく読み返したくなります。慎重に本を選ぶ私ですが、この一冊は確かな価値がある。迷われている方には自信を持ってお勧めできます。

感想

新装版との文字づくりと装丁に引かれて手に取った一冊です。著者の最後のエッセイ集ということで、どのような思考の軌跡が綴られているのか興味を持ちました。 読み進めると、確かに凛とした筆致で半生が語られており、その誠実さには好感が持てます。特に「手袋をさがす」の冒頭は印象的で、何かを探し続ける人間の本質について考えさせられました。ありふれた日常の中に哲学的な問いを見出そうとする姿勢は、この著者らしいと感じます。 ただ、読み終わってみると、エッセイ集全体を通して特に心に残る一編が少なかったのが正直なところです。どの作品も教養的で丁寧に書かれているのですが、その丁寧さゆえに、読者の心をぐっと掴む力強さに欠ける印象を受けました。新装版による読みやすさは確認できましたが、内容的には既刊本と大きく変わるものではないでしょう。 著者の思想や人格に魅力を感じる方なら満足できると思いますが、私のように話題の作品をと考える読者には、標準的な仕上がりという評価になります。

感想

教員という仕事をしていると、人間関係や人生観について考える機会が増える。この本は、そういった日常の些細なことから人生の本質を見つめるエッセイ集で、読んでいて何度も頷かされた。 著者は凛とした姿勢を崩さず、自分のこだわりや違和感をストレートに表現する。手袋を探し続けるというテーマひとつとっても、単なるエッセイではなく、人間が何かを求め続けるという根源的なテーマが静かに流れている。教室で生徒たちを見ていても感じることだが、人それぞれが何かを探しながら生きているんだなと改めて認識させられた。 新装版ということで文字が大きく、紙質も良く、読むときのストレスがない。また、著者の没後に出版された作品ということで、その後の時間経過の中でこの言葉たちがどう輝いているかを感じながら読むのも良い。短編のような独立した話が多いので、夜寝る前に一編だけ読むといった楽しみ方もできる。教員という職業柄、人生経験の浅い若者たちに何かを伝える立場にある身として、こうした思慮深い視点は非常に参考になった。

感想

新装版ということで手に取ってみました。エッセイ集として期待していたのですが、読み終わってみると少し物足りない印象が残りました。 著者の凛とした生き方や人生哲学が随所に感じられるのは確かです。特に「手袋をさがす」の冒頭で示される、何かを求め続ける姿勢というのは、39歳になった自分にも響くところがあります。人生を深く考察する視点は素敵だと思いました。 ただ、全体的にはエッセイの密度がまばらに感じられて、もう少し濃密な内容を期待していた分、少し物足りなさが残ってしまいました。新装版という名目で、文字が大きく読みやすくなっているのは、このくらいのボリュームだからこそ活きるのかもしれません。 著者最後のエッセイ集という背景があるからこそ価値がある一冊だと思います。突然の死の後も愛され続けるというのは、よほど人の心を掴む何かがあるということなんでしょう。ただ単体の作品としてみると、慎重に選ぶ私としては、もう一度何か別の著作を読んでから評価を改めたいところです。

感想

SNSで話題になっているのを見かけて、気になっていた一冊をようやく手に取りました。新装版ということで、カバーの絵の優しさに引き込まれながら読み進めました。 著者の人生を綴ったエッセイ集なのですが、一編一編が本当に味わい深い。手袋をさがす、というなんでもない日常の風景から始まる物語が、読んでいくうちに人生全体への問い立てへと広がっていく。公務員として日々ルーティンの中を過ごす自分にとって、こういう「ありふれた人生を優しい眼差しで掬いあげる」という表現がすごく心に響きました。 急いで結論を求めるのではなく、迷ったり、考えたり、そこにとどまること。そういう時間の大切さを改めて感じさせてくれます。著者が亡くなった後も多くの読者に愛されているというのも納得できる。本当に良い本に出会えたという実感があります。新装版で文字も大きく読みやすいのも、忙しい日常の中での読書には嬉しい配慮ですね。

感想

エッセイの優しさって、本当に人を包み込むんだなって感じた一冊でした。手袋を探すことで人生を語るって、こんなに素敵な表現があるんだ、って驚きました。 著者の視点の向け方が本当に好きで、何気ない日常の場面から人間らしさや切実さを見つけ出す力に引き込まれます。22歳の冬の話から始まるんですけど、そこに込められた「何かを探している」という想いが、きっと多くの人の人生と重なるんじゃないかって思います。 新装版ということもあって、文字が大きく読みやすいのもいいですね。カバーの絵も本当に美しくて、本を持ってるだけでなんか癒される感じです。著者の凛とした自己主張と同時に、人々のありふれた人生を優しく掬い上げる姿勢が随所に感じられて、読んでいて心が温かくなりました。 このエッセイ集が著者最後の作品だというのを知ると、より一層深く読む価値がある気がします。人生について、自分たちについて考えさせられる、そういう本ですね。気軽に手に取れて、でも深い。そういう読書体験ができた気がします。

感想

仕事で疲れた夜、手元に置きたくなるような一冊に出会いました。新装版『夜中の薔薇』です。 大きな文字と美しいカバーに惹かれて手に取ったのですが、中身はもっと素敵でした。著者のエッセイは、ありふれた日常のなかに隠れている小さな真実を、さらりと言葉にしてくれます。気に入った手袋が見つからないというような些細な出来事から始まる話が、いつの間にか人生について深く考えさせられてしまう。そんな魔力があります。 自分らしさを貫いてきた人生の話だと聞いていましたが、読んでみると決して堅苦しくない。むしろ、優しくて温かみのある視点で人々を見つめる姿勢が心に沁みます。41歳の今だからこそ、年を重ねることの意味や、自分たちが何を大切にしているのかが、より身近に感じられました。 著者は既にこの世にいないそうですが、こうして本を通じて対話できるのは、読書の醍醐味だと改めて実感します。忙しい日常のなか、ほっと一息つきたいときに、また手に取りたい。そんな本です。

感想

仕事が忙しい日々の中で、ふと手に取った一冊です。新装版ということで、カバーも綺麗だし読みやすいということだったので、軽い気持ちで読み始めたのですが、本当に良かった。 著者の率直で優しい眼差しが、ページを重ねるごとに心に沁みてきます。「手袋をさがす」というエッセイから始まるのですが、こんな日常の小さなこだわりや、それに秘められた人生の営みについて、こんなに丁寧に描写できるものなのかと感動しました。 公務員という仕事をしていると、どうしても効率性や一般化された価値観に支配されやすいのですが、このエッセイ集を読んでいると「ありふれた人生って本当に大切だな」と改めて思わされます。ページをめくるたびに、周りの人たちの人生にもっと寄り添いたくなるような感覚。 突然の死の後も読者を魅了し続けるというのも納得です。新装版は本当に読みやすいので、気軽に手に取れるのが嬉しい。仕事の合間に少しずつ読んでも、一気読みしても、どちらの楽しみ方もできる、そんな良書だと思います。

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