マスカレード・イブ

マスカレード・イブ

東野 圭吾

出版社:集英社 出版年月日:2014/08/21

集英社 | 2014/08/21

4.50
本棚登録:6人

みんなの感想

感想

東野圭吾の『マスカレード・シリーズ』は仕事帰りの電車での楽しみになっている。今回の『マスカレード・イブ』は、前作『マスカレード・ホテル』の二人の出会い前という設定に惹かれて手に取った。 舞台となるホテル・コルテシア東京の豪華な世界観は相変わらず魅力的で、その中で展開する大学教授殺人事件という古典的なテーマが現代的に再構成されている点が実に巧みだ。山岸尚美という主人公の視点から、フロントクラークの職業倫理と推理が絡み合う過程は、読んでいて引き込まれる。警視庁の新田浩介も登場するが、二人がどのように結びつくのかというプロセスを知ってからもう一度前作を読み返したい衝動に駆られた。 ミステリとしての完成度は高く、最後の真相解明までしっかり読ませる構成になっている。ページをめくる手が止まりませんでした。ただ若干、前作の補完という立場が制約になっているのか、独立した一つの物語としての深掘りが欲しかった気もする。それでも十分に満足できる一冊です。

感想

東野圭吾さんの『マスカレード・シリーズ』は前作から大ファンなので、この『マスカレード・イブ』を手に取りました。正直なところ、前作『マスカレード・ホテル』で二人の出会いの場面があったので、その前日譚がどう展開するのか少し不安でもあったんです。 ですが、その懸念は杞憂に終わりました。大学教授殺人事件という一見シンプルなストーリーながら、山岸尚美の鋭い観察眼と新田浩介との対話を通じて、事件の深層が少しずつ明かされていく快感。登場人物たちの言葉の端々に隠された真意を読み取る面白さは、このシリーズの最大の魅力だと感じています。 何より良かったのは、二人がまだ出会う前の別々の視点から物語が進み、やがて交差していく構成です。慎重派の私でも思わず引き込まれてしまいました。文庫本で手軽に読める点も、忙しい日常の合間に楽しめて助かります。ミステリ好きな方はもちろん、人物描写や会話を楽しむ小説好きの方にも強くお勧めできる一冊です。

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