ホテル カクタス

ホテル カクタス

江國香織 / 佐々木敦子 / 江國 香織 / 佐々木 敦子

出版社:集英社 出版年月日:2004/06/01

集英社 | 2004/06/01

4.50
本棚登録:7人

みんなの感想

感想

このお話を手にしたのは、レビューの「詩情あふれる大人のメルヘン」という言葉に惹かれたからでした。そして読み進めるうちに、その表現がぴったりだと気づきました。 帽子や数字の2、きゅうりが住人として登場するなんて、初めは戸惑ってしまいましたが、読んでいるうちに不思議な世界観に引き込まれていきました。作者の想像力の豊かさに驚きます。三人の住人たちの、ちょっと変わった日々の営みが、丁寧に丁寧に描かれていて、おかしみと同時にどこか哀しさも感じられます。 何より、挿画が多く入っているおかげで、文字だけの小説より優しく読み進められたのが嬉しかったですね。このくらいの年代になると、目も疲れやすいものですから。物語は短めですが、それでいて心に残るものがあります。 子どもにも大人にも楽しめる、そういう作品に出会うのは稀です。ボランティアで児童施設を訪れることもありますが、こういう本があると素敵だなと思います。大切に何度も読み返したい一冊になりました。

感想

普段漫画ばかり読んでいるから、たまには違う世界観を試してみたくて手に取った一冊です。帽子、きゅうり、数字の2が住人って……最初は「え、これなに?」って思いました(笑) 読み始めると、その不思議な世界観にぐいぐい引き込まれます。挿画もたくさんあるので、イメージが膨らみやすくて良かった。大人のメルヘンというだけあって、ちょっとファンタジックなのに、どこか切ない雰囲気が漂ってるんです。詩的な描写も多くて、読んでいて心がざわっとなる瞬間もありました。 ただ、正直なところ、ストーリーとしての起伏が物足りなく感じました。優しい世界観はいいんですけど、エモーショナルに心をつかまれるような瞬間が少なくて。もっと登場人物たちの背景とか、深掘りされた話が読みたかったかな。 新しいジャンルに挑戦したい人にはおすすめですが、漫画やライトノベルの濃密さに慣れた身からすると、ちょっと物足りない印象が残りました。でも読む価値はあります。

感想

初めて書籍説明を読んだとき、思わず二度見してしまいました。帽子が、きゅうりが、数字の2が住んでいるアパート――そんなことが本当にあるのかと。でも実際に読んでみると、この奇抜な設定がこんなにも切実で、温かく、哀しいものとして機能しているんです。 著者は単なるシュールさに逃げ込まず、住人たちの日常のなかに確かな感情を紡ぎこんでいます。言葉にならない想いや、小さな喜び、そして言い様のない寂しさ。それらが詩情あふれる表現で綴られているところが本当に素敵です。何度も言葉の選び方に立ち止まりながら読みました。 挿画も効果的です。文字だけでは想像しきれない、アパートの風景や住人たちの表情が視覚的に補完され、物語の世界がより立体的に浮かび上がってくるんです。 大人になると、こういう「理屈では説明できない何か」が必要になることってありますよね。現実では起こり得ないはずの出来事が、むしろ心の奥底に触れる。この本はそういう特別な読書体験をくれました。仕事の疲れが溜まったときや、心がざらついているときに、ぜひ手に取ってみてください。

感想

SNSで話題になってるのを見かけて、気になって買ってみました。正直、最初は「何これ?」って感じだったんですけど、読み進めるにつれてどんどん引き込まれちゃいました。 帽子とか、きゅうりとか、数字の2とか…普通じゃない住人たちが古いアパートに暮らしているという設定だけで既にシュールなのに、その世界観が本当に素敵なんです。漫画もよく読むので、挿画がたくさん入ってるってのも嬉しかった。ファンタジーみたいだけど、奇妙な日常の中に切ない感情が隠れてて…大人のメルヘンって表現がぴったりだなって思いました。 でも難しすぎない文章なので読みやすいし、短編集みたいな感じで一気読みできちゃいます。なんか不思議で、おかしくて、ちょっと泣けちゃう。こういう本があるんだって発見できて良かった。話題になってるのも納得です。

感想

書評サイトで何度も目にした『ホテル カクタス』、評判の良さに惹かれて手に取ってみました。期待値が高かった分、どこかで裏切られるのではないかと少し構えていたのですが、杞憂でした。 このアパートは異世界ではなく、私たちのすぐ隣にあるような、でも少しだけ違う世界。帽子が、きゅうりが、数字の2が住んでいるという設定だけで、すでに物語の空気感が立ち現れます。不条理のようで、読み進めると妙に納得してしまう世界観の作り方が本当に巧みです。 挿画が多く入っているせいか、テンポよく読めるのに、一つ一つのシーンに詩情と深さがあって、読んだ後に長く余韻が残ります。大人向けのメルヘンというのは正確な表現で、子どもっぽさではなく、複雑で繊細な心情が丁寧に描かれているんです。 フリーランスという立場で、時間に余裕がある時こそ、こうした世界に浸る時間は貴重です。疲れた時の癒しというより、心が整理される感覚に近い。慎重に本を選ぶ私ですが、この一冊は心からお勧めできます。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ