ルビンの壺が割れた

ルビンの壺が割れた

宿野 かほる

出版社:新潮社 出版年月日:2020/01/29

新潮社 | 2020/01/29

4.20
本棚登録:6人

みんなの感想

感想

新聞の書評欄で見かけて、気になっていた一冊です。SNSを通じた昔の恋人との再会という設定に、現代的でありながらも、どこか切実な人間関係の物語が隠れているに違いないと直感しました。 読み始めてから、ページをめくる手が止まりませんでした。二十八年という歳月の重さ、変わってしまった自分たち、それでも心のどこかに残っている想いが、メッセージのやりとりを通じて浮かび上がってくるのです。特に素晴らしいのは、この物語が予想外の展開を見せることです。単なる昔の恋人との再会話ではなく、もっと深い何かへと変容していく過程が、本当に丁寧に描かれています。 終盤の仕掛けには正直驚きました。こんな読み方があるのかと、老いぼれた頭でも目からうろこが落ちる思いでした。最後に壺が割れるような、すべてが変わるあの瞬間まで、何度も物語を読み返したくなります。文庫本で手頃な長さなのも良かった。若い世代にも、私たちのような年配者にも、人生経験がある人ほど深く味わえる、素敵な作品だと思います。

感想

SNSで話題になっていたので気になって手にとりました。フェイスボック経由で再び繋がった昔の恋人とのメッセージのやりとり──設定だけ聞くと陳腐に思えるかもしれませんが、読み進めるにつれて予想外の方向へ。 二十八年の時を経て再会する二人の会話は、最初こそぎこちなく、懐かしさと戸惑いが混在しています。ですが、ページをめくるたびに何かが変わっていく感覚を覚えました。読み手の予測を次々と裏切られ、途中からは一気読みでした。 年を重ねた今だからこそ、人生の偶然や選択の重さについて考えさせられます。結末は本当に驚きましたし、その後の余韻がずっと残っています。新潮文庫版でお手頃価格というのも嬉しい。 話題作に名高い理由がようやく理解できました。仕事のストレスで疲れていた心が、この予想外の物語によってリセットされた感じがします。同年代の方にはとくにお勧めしたい一冊です。

感想

SNSでの再会という現代的なテーマに惹かれて手に取りました。二十八年前の約束を胸に秘めたまま、大人になった二人がメッセージを交わす──その設定だけで既にドラマチックなのに、物語はそこに留まりません。 読み進むにつれ、対話の細部に隠された意図が見え始め、何度も読みの軌道が修正されます。特に後半の展開は本当に予想外で、思わず前のページに戻ってしまいました。著者が仕掛けた仕掛けに、見事に引っかかったといった感じです。 ただ、その巧妙さゆえに、登場人物たちへの感情移入が難しい瞬間もありました。緻密に構成された物語と、心情的な共感のバランスについては、読者によって評価が分かれるだろうと思います。 それでも、小説とは何か、読むとはどういうことか、改めて考えさせられる一冊です。会社員として日々忙しい中でも、こうした挑戦的な作品に出会うことの大切さを実感しました。新しい読書体験を求める方に、ぜひおすすめしたい作品です。

感想

話題の本だったので、さっそく読んでみました。フェイスブックで再会した元恋人同士のやりとりという、今どきの設定が面白いですね。私たちの世代でもSNSで昔の知り合いを見つけることがありますから、つい共感してしまいました。 ただ、正直なところ、物語がどこへ向かうのか最後まで掴みきれませんでした。先の読めない展開が売りなのだと思いますが、私にはちょっと複雑すぎたかな。二十八年という時間の重みと、二人の関係の変化は丁寧に描かれていて、その部分は引き込まれました。 ラストの驚きについては、言及を避けますが、確かに予想外でした。ただ、衝撃というより、「え、そういう話だったの?」という戸惑いに近い感じです。文学作品として実験的な試みなんだろうとは理解できるのですが、素直に物語を楽しみたい読者には少々難しいかもしれません。話題作を読んだという満足感はありますが、もう一度読む気にはならないですね。

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