奇蹟の時は今

奇蹟の時は今

ジャック・エンサイン・アディントン / 谷口 雅春

出版社:日本教文社 出版年月日:1978/05/01

日本教文社 | 1978/05/01

4.67
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

管理職の責務が重くなってきた数年前、精神的な支えになるものを探していた時期にこの本と出会いました。宗教的な奇蹟という一見スピリチュアルなテーマながら、著者は「科学的祈り」という理性的なアプローチを提示している点が興味深い。 実例として紹介されるアメリカ各地の事例は、単なる信仰話ではなく、心身の相互作用についての一つの仮説として読み進めることができます。組織運営の中で判断を迫られることの多い立場にいると、潜在意識や思考パターンの力について考えさせられます。 ただし、科学的根拠についてはやや踏み込みが浅い部分もあり、批判的な視点で読む必要があります。著者の主張を無条件に受け入れるのではなく、自分の経験や知識と照らし合わせながら読むことが大切でしょう。 それでも、人生の転機や困難な状況に直面したときに、思考や心持ちを変えることの重要性を改めて認識させてくれる一冊です。忙しい日常の中で、自分の内的資源をどう活かすかについて考える良い機会になりました。

感想

スピリチュアルな書籍は往々にして感情的な主張に終始してしまうことが多いが、この作品は異なる。著者は医学的に説明困難な治癒事例を丹念に集積し、それらを「科学的祈り」という方法論で体系化しようとしている。 私が特に興味深かったのは、単なる信仰告白ではなく、再現可能な実践方法として祈りを位置づけている点だ。心身相関の研究が進む現代において、精神と肉体の関係性をどう考えるか—その問いに一つの応答を提示しているといえる。 確かに科学的厳密性については議論の余地があるだろう。しかし、実証主義の枠組みでは捉え切れない人間の治癒力という問題に真摯に向き合う姿勢は評価に値する。フリーランスとして自己管理に心血を注ぐ身としては、心の状態が現実をいかに形作るかについて考えさせられる一冊となった。良質な問題提起の書としてお勧めできる。

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