後衛の位置から

後衛の位置から

丸山 眞男

出版社:未来社 出版年月日:1982/01/01

未来社 | 1982/01/01

3.60
本棚登録:7人

みんなの感想

感想

丸山真男の著作は昔から気になっていたのだが、この『後衛の位置から』はまさに今の時代に読む価値がある一冊だと思う。憲法第九条についての考察が特に興味深い。戦後の日本政治をどう捉えるかという問題は、八十歳の人生を歩んできた者にとって他人事ではない。 英語版への著者序文から始まるこの構成も巧妙だ。西欧との対話という視点から日本の知識人の役割を問い直す。近代日本の知識人論では、自分たちの世代がどのような時代を生きたのかが改めて浮き彫りにされる。海外の書評も添えられているのは、日本思想がいかに受け止められてきたかを知る上で非常に貴重である。 政治思想というと難しく感じるかもしれないが、この本は丁寧な論述で、長年の思索の軌跡を辿ることができる。自営業で様々な世代の人間関係を築いてきた身からすると、知識人の「後衛の位置」という問題提起は本当に深い。今なお新しいテーマとして響く。

感想

丸山真男の『後衛の位置から』を読み終えて、改めてその思考の深さと緻密さに圧倒された。本書は単なる論文集ではなく、戦後日本の思想的課題に正面から向き合った知識人の格闘の記録である。 特に「憲法第九条をめぐる若干の考察」は秀逸だ。改憲問題と防衛問題の歴史的連関を丹念に追いながら、日本国憲法における平和主義の思想的意味を問い直す。丸山が指摘する「国民的個性ないし民俗的伝統の問題」という観点は、今日の政治的議論においても依然として有効である。 英訳版の著者序文から付録の海外書評まで、西欧との知的対話の中で日本の思想がどのように受容・評価されたのかが見えてくるのも興味深い。この「後衛の位置」という表現が示す謙虚さと同時に、その実は最前線で戦う思想家の姿勢が貫かれている。 会社員として日々の実務に追われながらも、こうした根源的な問いに向き合う時間の大切さを改めて感じさせてくれた。文体も古いとは言えど、驚くほど読みやすく、思考を刺激される一冊である。

感想

丸山真男の論考を集めた本ということで、手に取ってみました。憲法第九条や近代日本の知識人について、戦後の知識人がどう考えていたかを知るには良い資料だと思います。 ただ、正直なところ、政治思想の本というのは読むのが骨が折れますね。自営業の傍ら気軽に読書を楽しみたい身としては、やや専門的で難しい内容が続きます。英訳版への序文なども含まれていて、学術的な厚みはあるのでしょうが、老年の身には時間がかかってしまいました。 懇切丁寧な解説も付いており、編集の配慮は感じられます。戦後日本の思想的背景を改めて確認したい方や、丸山真男をしっかり学びたい人には価値があるでしょう。ただ、私のような気軽な読書好きには、もう少し読みやすい形でも良かったかな、というのが正直な感想です。

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