爆弾
講談社 | 2022/04/20
みんなの感想
話題のミステリー賞を総なめにしたこの作品、ようやく手に取りました。期待値が高かっただけに、最初はその評判に少し懐疑的だったのですが、読み始めたら一気に引き込まれてしまいました。 爆弾予告という設定だけで充分なサスペンスなのに、そこに警察との緊迫した対話と、犯人像の謎が絡み合っていく。登場人物の動機や正義とは何かという問いが、物語の進展とともに複雑に変化していくのが秀逸です。教員として、「正義」について深く考えさせられました。 特に印象的だったのは、安易なヒーロー像を提示しない潔さ。事件の真相に向き合う過程で、登場人物たちが揺らいでいく様が生々しい。娯楽としてのミステリーの興奮と、人間ドラマとしての深さが両立しているんです。 ページをめくる手が止まりませんでした。直木賞候補というのも納得できます。今年読んだミステリーの中では確実に上位。同僚の教員にも勧めたくなる一冊です。
話題のミステリーということで、評判を参考にして手に取ってみました。爆弾テロを予告する犯人を巡る警察の捜査を追ったサスペンスですね。 設定は確かに面白く、秋葉原での爆発事件から物語が急速に展開していく緊迫感は感じられました。ただ、読み進めていくうちに少し物足りなさを覚えてしまったのが正直なところです。 犯人の動機や背景が十分に掘り下げられていないような気がして、後半に向かうにつれて話の筋が散漫になっていく印象を受けました。また、登場人物たちの心理描写ももう少し丁寧であれば、より深みのあるミステリーになったのではないかと思います。 センセーショナルな題材で人気を集めているのは理解できますが、私のような年代の読者には、もっと綿密な構成と人間ドラマへの踏み込みがあると、より満足できたように感じます。話題作だけに、期待値が高かったのかもしれません。
複数のミステリランキングで1位に選ばれたという触れ込みを見て、半信半疑ながら手に取ってみました。正直、期待値が高すぎるとがっかりすることが多いので、慎重に読み進めたのですが、これは本当に面白かった。 爆弾予告という緊迫した設定の中で、犯人像が次々と覆されていく構成の巧さが際立っています。登場人物たちが正義と現実のギャップに直面する様が、説教的にならずに自然に描かれているのが特に良かった。エンジニアとして問題解決に携わる身としても、複雑な事象を論理的に整理していく過程が実に爽快感があります。 ただ若干、後半の展開に急ぎ足な部分があるのは惜しい。また、特定のキャラクターについては、もう少し掘り下げてほしかったという思いも残ります。 それでも、ここ数年で最も緊張感を持って読み切った小説です。ランキング上位というのは伊達ではなく、確かな完成度がある。ミステリ好きなら必読の一冊だと思います。
孫から「おばあちゃん、これ面白いよ」と勧められて手にしました。正直なところ、爆弾だの犯罪だのといった物騒な題材は避けてきたのですが、思い切って読んでみることにしたんです。 ページをめくっていくうちに、すっかり引き込まれてしまいました。登場人物たちが正義とは何かを必死に問いかける姿勢に、胸を打たれます。警察、容疑者、そして市民——それぞれの立場から見える世界がこんなに異なるのだなと改めて感じさせられました。 著者の構成力が見事で、緊張感を保ちながらも、人間らしい悩みや迷いが丁寧に描かれています。ボランティアの現場でも感じることですが、「正しい行動とは何か」という問いに簡単な答えはないのだと、この作品を通じて改めて考えさせられました。 高齢になると複雑な物語は疲れてしまうこともありますが、この本はスピード感があって、むしろ徹夜してしまうほど。ランキングで評判だったのも納得です。少し心理的には重い部分もありますが、多くの方に読んでいただきたい作品だと思います。
書店で見かけた時から気になってた本でね、やっと読めました。このごろ、こういったサスペンス系のミステリーが流行ってるのかしら。 爆弾という物騒なテーマながら、ぐいぐい引き込まれてしまいました。ちょっと傷害事件を起こした変な男が、秋葉原での爆発を予言するんですよ。最初は単なる酔っ払いだと思ってた警察も、それから事態は次々と予測不能な方向へ。どんでん返しもあって、最後までどうなるのかわからないままでした。 人物描写がとても上手で、登場人物たちが生き生きと動き回っているような感じがします。正義とは何か、という難しいテーマも出てくるけれど、押し付けがましくなくて良いですね。パート帰りに疲れてても、つい続きが気になって読んじゃいました。 賞候補作だという話も納得できます。ミステリー好きな友人にも勧めたくなる一冊です。
新聞の書評欄で何度も見かけたので、思い切って手に取ってみました。74年生きていると、ミステリー小説も新しい傾向のものは敬遠しがちになってしまうのですが、これは違いました。 爆弾という危険な題材を扱いながらも、警察の捜査と犯人の心理が緻密に描かれていて、ぐいぐい引き込まれます。主人公の警察官たちが必死で正義を求める姿勢に、私たちの世代も共感できる部分がたくさんありました。 ただ正直なところ、後半は複雑な展開が続きますので、老眼鏡をかけ直しながら何度か読み返す場面もありました。それでもなお、作者が問いかけてくる「正義とは何か」という根本的なテーマは、人生経験を積んだ今だからこそ、より深く心に響きました。 直木賞候補作というのも納得です。若い世代にはもちろんのこと、私たちのような世代の読者にも十分に楽しめる、質の高いミステリーだと思います。もう少し装丁が大きければ、もっと読みやすかったのにとは思いますが。
話題のミステリーということで期待して読んでみたんですけど、正直な感想としては「まあ、こんなもんか」という感じでした。 爆弾犯を追う警察サスペンスという設定は面白いし、予言めいた犯人の言動も引き込まれます。ただ、読み進めていくと、ストーリーの展開がある程度予測できてしまうというか、「こういう流れだろうな」と思わせる部分が多かったんです。ミステリーとしての仕掛けも凝ってはいますが、特に驚くような真犯人の正体とか動機とかはなかった気がします。 テンポ自体は悪くなくて、長すぎず短すぎず読みやすいボリュームだったのは良かったですね。登場人物たちのキャラクターも立っていて、その辺りは楽しめました。 ランキングで高評価だったから期待値が上がってたのもあるかもしれません。決して悪い本ではないんですけど、「これが傑作?」と感じてしまったのが正直なところです。ミステリーにもっと複雑なトリックとか、予想外のオチを求めてる人だと、物足りなさを感じるかもしれません。