また君と出会う未来のために

また君と出会う未来のために

阿部 暁子 / syo5

出版社:集英社 出版年月日:2018/10/19

集英社 | 2018/10/19

4.14
本棚登録:8人

みんなの感想

感想

時間を超えた恋愛というロマンティックな設定に惹かれて読み始めたのですが、途中からモヤモヤした気持ちが拭えませんでした。 主人公・爽太が2070年から戻ってきた女性を忘れられないというコンセプトは面白いんです。ただ、その想いがどう展開していくのか、その過程で何が起こるのかという点が、私の期待値とはズレてしまいました。物語がやや冗長に感じられて、特に中盤のサークル内のトラブル描写では、メインストーリーとの結びつきが曖昧で、読み進めるモチベーションが少し下がってしまいました。 また、八宮との関係性も謎めいていて、それがストーリーにどう影響するのか最後まで釈然としません。気軽に楽しむ読書を心がけている私としては、もう少し素直に感動できる展開を期待していました。設定は素敵なだけに、もったいない印象が残りました。前作『どこよりも遠い場所にいる君へ』を読んでいないからかもしれませんが、シリーズ通して読まないと楽しめないのなら、その旨があってもいいのかなと思います。

感想

時間を超えた出会いの物語だというので、興味を持って読んでみました。仙台の大学生が過去に2070年へと時間を超えてしまう――そんな非現実的な設定なのに、読んでいるうちに自然と物語の世界へ引き込まれてしまいました。 若い青年たちの揺れ動く心情描写が丁寧で、特に主人公・爽太が未来で出会った女性を忘れられずにいる切実さが胸に響きます。それでいて、大学のサークルでの人間関係や友人との関わりを通じて、彼が少しずつ変わっていく過程も上手に描かれています。 時間ものというと複雑になりがちですが、この作品は分かりやすくて読みやすい。パート帰りに疲れた頭でも気軽に読め、ページをめくるのが止まりませんでした。どうなるのか気になってしまって、続きが気になります。前作『どこよりも遠い場所にいる君へ』も読んでみたくなりました。若い人たちの恋愛や葛藤の物語ですが、年を重ねた身としても、その真摯な向き合い方に心がほっこり温まる一冊です。

感想

時間SFとラブストーリーの組み合わせということで興味を持って読んでみました。仙台を舞台に、未来から来た人との再会を巡る展開は、確かに独特で面白い設定だと思います。 ただ、正直なところ期待値と実際の面白さがちょっと乖離していた感じでしょうか。時間旅行というファンタスティックな要素があるのに、展開がやや緩やかで、もどかしさが先に来てしまいました。キャラクターたちは好感度高いのに、物語全体として何か引っ張られるような強さが足りない。 自営業で忙しい毎日だからこそ、読書は気分転換の時間なんですよね。だからこそ、もっと一気読みしたくなるような勢いが欲しかったかなって。決して悪い作品じゃないんです。むしろ丁寧に描かれている。ただ、もう一段階の工夫があれば、もっと心に残る話になったんじゃないかなと感じました。 シリーズもののようですし、続きでもっと盛り上がるのかもしれません。その可能性に賭けて、次巻も読んでみようかな、という気にはさせてくれました。

感想

時間を超えた再会という壮大なテーマを、エモーショナルに描き切った傑作だ。エンジニアとしてロジカルに物事を考える習性がある自分だからこそ、この物語の巧妙な構成に引き込まれた。 過去と未来、そして現在が複雑に絡み合いながらも、丁寧に紡ぎ直されていく過程は秀逸。単なる恋愛小説ではなく、人生における選択と後悔、そして希望についての深い問い掛けが込められている。2070年という具体的な時間軸設定も現実感を持たせて秀逸。 特に印象的だったのは、登場人物たちが時間の制約の中でもがきながら、それでも他者とのつながりを求める姿勢だ。溺れた少年が感じた絶望から始まるストーリーは、読み進むにつれて力強い希望へと変容していく。前作『どこよりも遠い場所にいる君へ』を未読だったが、この作品単体でも完成度の高さが感じられた。 人生の選択に迷うすべての人に読んでほしい。時間SFとしても、感動的なラブストーリーとしても、人間ドラマとしても質が高い。何度も読み返したくなる傑作である。

感想

時間SF と青春小説の融合という難しいテーマに、ここまで見事に取り組んだ作品は珍しい。主人公が2070年の未来で出会った女性への想いを心に秘めたまま現代を生きる、その葛藤の描き方が実に丁寧だ。 54歳になると、人生で逃した機会や選択の重みがより一層身に染みる。この小説はそうした大人の読者にも響く何かを持っている。青年たちが音楽を通じて絆を深めていく過程や、時間という概念を超えた再会への希望が、ごく自然に物語に織り込まれている。 前作『どこよりも遠い場所にいる君へ』を未読のままでも十分楽しめるが、シリーズとしての繋がりを感じさせる構成も秀逸だ。慎重に作品を選ぶ私としては、このような手応えのあるエンタメ小説は心から推薦したい。ただし、時間SFの複雑さに少し戸惑うかもしれない読者もいるかもしれない。それでも挑戦する価値は十分ある。人生の異なる段階にいる人々がこの作品をどう読むのか、ぜひ試してみていただきたい。

感想

集英社さんの作品というだけで手に取った『また君と出会う未来のために』でしたが、予想以上の素晴らしさに驚きました。 時間を超えた再会という古典的なテーマを、これほど真摯に、かつ現代的に描く作品があるでしょうか。仙台という地方都市を舞台に、青年たちの心の揺らぎを丁寧に綴られた筆致に、つい引き込まれてしまいました。2070年という未来との交錯が、単なるファンタジーではなく、今を生きる若者たちにとっての深い問題提起となっているところが見事です。 七十年人生を歩んできた私だからこそ感じるのですが、「未来のために、どう現在を生きるか」という問い掛けが胸に響きました。ボランティアをしていると、世代を超えた出会いがもたらす化学変化を日々感じます。この物語もまた、そうした出会いの尊さを教えてくれています。 前作『どこよりも遠い場所にいる君へ』を読んでいたからこそ、より一層の感動を味わえました。ぜひ続編を期待したい。人文的な深さと物語としての美しさを兼ね備えた、本当に良い作品です。

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