警視庁監察官Q クリムゾンライン

警視庁監察官Q クリムゾンライン

鈴峯紅也

出版社:朝日新聞出版 出版年月日:2026/02/06

朝日新聞出版 | 2026/02/06

3.25
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

警察組織の内部抗争を描いたミステリーとしては、かなりのクオリティだ。加賀美晴子が女性初の警視長に昇任するというキャリア的な転機から始まる物語だが、その直後に降りかかる謎めいた襲撃事件。管理職として組織内の権力関係を見てきた身としては、このドロドロとした人間関係の描き方がリアルで面白い。 監察官・小田垣観月の調査が進むにつれて、情報が食い違っていく緊迫感、そして関口貫太郎の過去が絡み合っていく構成は秀逸だ。複数の登場人物の視点が交差し、一見バラバラに見える事件の断片がつながっていく快感は、本シリーズの持ち味なのだろう。 ただ、終盤の真犯人に至るまでの道筋がやや複雑で、二度目の読み返しが必要になるほど。それでも、仕事の合間に少しずつ読み進める気軽さと、引き込まれるストーリーのバランスが良く、十分楽しめた。シリーズをもう一冊手に取ってみたい気分だ。

感想

警視庁監察官シリーズの最新作ということで、期待して手に取ったんですが、正直なところ少し物足りなかったです。 前作までの面白さがあった複雑に絡み合う人間関係や、謎解きの爽快感が今作ではやや薄い気がしました。加賀美晴子の昇任という大きな転機があるのに、その後の展開が予想通りで、サスペンスとしてのドキドキ感に欠けてるんですよね。 キャラクター同士の関係性も、前作を読んでいたおかげで背景が理解できるけど、その分説明が不足していて、新規読者には結構厳しいんじゃないかと思います。小田垣観月と関口貫太郎の二つのプロットが同時進行するのは面白い試みなんですが、どちらも中途半端な感じで、終わり方もちょっとモヤモヤしてしまいました。 警察小説として人物描写は丁寧なんですが、事件そのものへの興味が盛り上がりきらないというか。シリーズ後半に差し掛かってるからこそ、もっと派手に、もっとインパクトのある展開を期待していたので、その点で残念です。次巻に期待したいところですね。

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