新編 日本の面影

新編 日本の面影

ラフカディオ・ハーン / 池田 雅之

出版社:KADOKAWA 出版年月日:2000/09/22

KADOKAWA | 2000/09/22

4.00
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

ハーンの著作は若い頃から愛読しているが、この新編は本当に素晴らしい。新訳ということで最初は少し心配だったが、むしろ現代人にも読みやすくなっており、かつ詩情を失っていない。八十年も生きていると、ハーンが百三十年以上前に感じた日本への驚嘆と敬愛がいっそう身にしみてわかるようになった。 松江の風景、出雲大社での厳粛な体験、日本人の微笑の謎まで、彼が西洋人の目で捉えた我々の国の本質的な美しさは今も色褪せていない。むしろ、高度成長とその後の変化を経験した私たちだからこそ、ハーンが拾い集めた日本の面影の貴さが深く感じられる。 昨今いろいろな新刊をチェックしているが、この古典の新しい装いは、人生の最後の時間を味わい深く過ごすのに最適だ。ゆっくり、繰り返し読む価値のある一冊である。

感想

ハーンが日本という国をどう見つめていたのか、それが知りたくて手にしました。西洋人の視点から描かれた日本という設定は正直なところ少し照れくさいところもあるのですが、読み始めると自分たちが当たり前だと思っていることの奥深さに気づかされる。松江の風景、出雲大社での経験、そして日本人の微笑の謎など、どの章も詩情に満ちていて、ゆったりとした時間の中で読むのにぴったりです。 何より嬉しいのは、新訳という点。古めかしさがなく、現代の私たちにもスッと入ってくる日本語になっています。年を重ねた今だからこそ、異国人の目を通して自分たちの国を再発見する喜びというのがあるんだなあと感じました。自営業で毎日忙しいですが、寝る前の少しの時間でも読んでいて心が落ち着く。日本についてあらためて考えてみたい方には、本当にお勧めできる一冊ですよ。

感想

ハーンの日本観を知りたくて手に取りました。西洋人の視点から見た明治時代の日本——その神聖さや精神性を丁寧に描写する姿勢は理解できます。特に出雲大社訪問記や松江の描写には、対象への向き合う誠実さが感じられました。 ただ、正直なところ、現代の読者にとってはやや距離感があるかもしれません。アニミスティックな世界観の表現は詩情的ですが、時間を重ねた翻訳による文体の古さもあり、ページを進めるのに少なからず集中力が必要でした。技術書に比べると、文献を読むようなリズムです。 日本文化を外部の視点から検証したい、あるいはハーンの文学世界を入門的に知りたいという目的なら確実な一冊ですし、選抜された11編という構成もバランスが良い。ただ、これまでハーンを読んでいない方にとっては、もう少し取っつきやすい入口があるのではないかと感じました。文学的価値は十分ですが、万人向けかどうかはやや疑問です。

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