砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

桜庭 一樹

出版社:KADOKAWA 出版年月日:2009/02/25

KADOKAWA | 2009/02/25

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

この本を手にしたとき、書評欄で何度も見かけた著者名に少し惹かれていました。子どもの頃の苦しさを描いた作品だと聞いていたので、どこまで読み進められるか少し心配でしたが、思い切って読んでみることにしました。 予想以上に引き込まれてしまいました。主人公の目線で綴られる物語は、正直なところ時に痛々しく、時に切実で、読むのが辛い場面もあります。しかし、その苦しさの中に、どうしようもなく前に進もうとする何かが感じられるんです。子どもという時代の絶望的な状況をここまで丁寧に、それでいて希望を失わない筆致で書ける著者の力に、改めて敬意を感じました。 年を重ねた今だからこそ、自分の子ども時代を思い出しながら読むことができたのかもしれません。当時は気づかなかった大人たちの複雑な事情も見えて、違う読み方ができたような気がします。骨太で、それでいて繊細な一冊。機会があれば、著者の他の作品も読んでみたいと思わせてくれる傑作だと思います。

感想

直木賞作家の初期傑作と聞いて、慎重に手に取った一冊だ。「子どもという絶望の季節」というフレーズが頭を離れず、覚悟を決めて読み進めた。 正直、最初は躊躇した。こうした重いテーマは、評判だけでは判断しづらいものだ。しかし読み始めると、その懸念は杞憂に終わった。主人公の内面描写が息苦しいほどに鮮烈で、少女時代の不安定さや矛盾を見事に言語化している。単なる悲劇譚ではなく、必死に生き延びようとする魂の輪郭が浮かび上がる。 フリーランスとして生きていると、人生のターニングポイントをいくつも経験する。この作品を読むと、大人になるまでの過程がいかに不確実で、時に絶望的であったか改めて考えさせられる。しかし同時に、そうした時間を通り抜けた自分たちがいることの意味も感じられた。 短編集のような構成も読みやすく、何度も立ち戻りたくなる質感がある。貴重な一冊として手元に置いておきたい。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ