ナポレオン狂

ナポレオン狂

阿刀田 高

出版社:講談社 出版年月日:1982/07/01

講談社 | 1982/07/01

4.33
本棚登録:6人

みんなの感想

感想

短篇集を手にする際は、レビューをかなり念入りに確認する方なのですが、この作品はそうした慎重さが報われる一冊でした。 ナポレオンへの妄執に取り憑かれた男たちを描く表題作から始まる13篇。一つ一つが驚くほど完成度が高く、たった数十ページの中でキャラクターの内面を鮮やかに浮かび上がらせています。特に印象的だったのは、作者の観察眼の鋭さ。人間の矛盾や歪み、ちょっとした違和感を日常の中から丁寧に掬い上げ、それが物語の中でどう転がっていくのか—その運びが実に巧妙です。 直木賞受賞作だけあって、文章のクオリティも申し分ありません。説明的にならず、暗示的に読み手を引き込む筆さばきは、読んでいて新社会人の自分にも勉強になるほど。収録される「来訪者」など、後味の良さと深さのバランスが絶妙で、読み終わってもしばらく考えさせられました。 新書判のコンパクトなサイズも魅力。通勤中や休憩時間にさくさく読み進められるのに、内容の濃さは全く損なわれていない。短篇の傑作集を探している方には、本当にお勧めできます。

感想

最近、文芸誌の特集で話題になっているのを見かけて手に取った一冊です。短篇集ですが、どの作品も本当に面白くて、一気読みしてしまいました。 特に表題作の「ナポレオン狂」は、ナポレオンの生まれ変わりだと信じている男とコレクターが登場するという奇想天外な設定なのに、どんどん引き込まれていきます。こうした非日常的な人物たちの行動を通して、人間の執着や欲望、そして滑稽さまでもが浮き彫りになる。著者の卓越した観察眼に感心しました。 どの短篇も登場人物の心理描写が深く、わずかな頁数の中に人生の複雑さや矛盾が凝縮されている感じがします。読んでいて「ああ、こういう人、いるいる」と思わせられることもあれば、「え、こんな展開?」と予想外の結末に驚かされることも。この切れ味の良さはやはり直木賞受賞作の実力を感じさせます。 パートの帰り道、ちょっと疲れた頭でも、短篇なら無理なく読み進められるのが私にはぴったり。ここのところ話題作をいろいろ読んでいますが、この本は本当に値打ちある一冊だと思います。

感想

文庫本だから気軽に持ち歩いて、ちょっとした時間に読めるのがいいですね。この本は短編集なんですが、どのお話も本当に面白くて、一気に読んでしまいました。 ナポレオンの生まれ変わりだと信じている男のお話、それからコレクターの人のお話、どれもくすっと笑えるような不思議な世界観です。人間の変な執着とか、こだわりとかを上手に描いているなぁって感じました。 直木賞受賞作だけあって、文章がしっかりしていて、短い中にもきちんと物語が詰まっているんです。作者の切れ味のいいユーモアというか、人間観察の深さが感じられます。 パート仕事で疲れた後に読むと、心がふっと軽くなるような感じがします。どの短編も違う味わいで、飽きずに楽しめるのがいいですね。同じ著者の他の作品も読んでみたくなりました。気軽に楽しめる大人の短編集として、おすすめです。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ