モロッコ水晶の謎
講談社 | 2008/03/14
みんなの感想
『モロッコ水晶の謎』は、講談社の国名シリーズらしく、異国情緒あふれる舞台設定がまず魅力的ですね。火村英生シリーズということで、複雑な事件の謎解きをどう進めるのか期待していたのですが、その期待をしっかり満たしてくれました。 「助教授の身代金」と「ABCキラー」の二編が収録されていますが、どちらも緻密な構成が光っています。特に後者は連続ドラマ化されているだけあって、読みやすさと推理の奥深さが両立しているところが秀逸。教員という職業柄、事件の論理的解法に思わず惹き込まれてしまいました。 一つ挙げるとすれば、モロッコという舞台をもっと活かした描写があればさらに良かったかなという気もしますが、これは贅沢な望みかもしれません。気軽に読める推理小説としても、しっかりした謎解きを求める方にも、どちらにも応えられる一冊だと思います。国名シリーズの他の作品も読んでみたくなりました。
ドラマで話題になっていた火村英生シリーズということで、手に取ってみました。文庫本というのも気軽に読めてよいですね。 このモロッコ水晶の謎という作品、短編が二つ収録されているのですが、どちらも引き込まれてしまいました。特に「助教授の身代金」では、一見複雑に見える事件が、火村先生の推理によって見事に解き明かされていく過程が素晴らしい。犯罪心理学の観点からの分析が、とても興味深くて勉強になります。 最近のテレビドラマも見ていますが、やはり原作はまた違う面白さがありますね。紙の上で自分のペースで物語を進められるので、細かい描写や心理描写をじっくり味わうことができます。年を重ねるほど、こういう丁寧な推理小説が好きになります。 講談社の国名シリーズということで、シリーズ全体を揃えてみたくなる魅力もあります。次々と読み進めてしまいそうな予感がしますね。同年代の方にも、話題作として十分おすすめできる一冊だと思います。
国名シリーズの新作ということで、話題になっているうちに読んでみました。ドラマ化もされているようですし、どんなものかと興味が湧いたんです。 正直なところ、期待していた以上にも以下にもならない、というのが率直な感想です。火村英生シリーズの特徴である推理の鮮やかさは随所に感じられるのですが、今作はやや散漫な印象が否めません。二つの事件が収録されていますが、どちらも犯人に至るまでの道筋がもう一つ明確でなく、読み終わった後にすっきりした達成感が残りませんでした。 ドラマとして映像化される際には、きっと補足説明なども入るのでしょうから、そちらの方が理解しやすいかもしれません。文庫本で読むと、細部がやや曖昧に感じられてしまい、私のような中年読者には少し物足りなさが残ってしまいました。 悪い本ではありませんが、これまでのシリーズと比べるとやや落ちるかな、というのが率直な評価です。
ドラマで火村英生というキャラクターを知ったので、原作を読んでみました。さすが講談社の国名シリーズ、やはり面白い。この巻は「助教授の身代金」と「ABCキラー」の二編が収録されていますが、どちらも一気読みさせてしまう力がありますね。 火村のキャラクターがテレビと本でどう違うのか気になっていたのですが、むしろ活字で読むと彼の推理の鮮烈さがより引き立つ気がします。謎解きの筋道が自然で、説得力がある。登場人物たちも個性的で、二時間程度で読み終わる長さなのに人物描写も丁寧です。 嘱託の身ですから仕事の合間に読める軽さが何より嬉しい。退勤後のコーヒータイムに、ぱっと一編読んでしまう。そういう気軽な楽しみ方ができるのが、この文庫シリーズの良さだと思います。もう何冊か続きを読んでみようかな。