漱石人生論集

漱石人生論集

夏目 漱石

出版社:講談社 出版年月日:2015/10/10

講談社 | 2015/10/10

4.50
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

漱石の作品は以前から好きでしたが、小説ばかり読んでいて、彼がどのような人生観を持っていたのかは詳しく知りませんでした。このエッセイ集を手に取ったのは、出久根達郎の選編という点が大きな決め手です。信頼できる読み手による選別なら間違いはないだろうという考えもありました。 期待通り、素晴らしい一冊でした。小説では断片的にしか見えなかった漱石の思想が、講演録やエッセイを通じてより直接的に伝わってきます。人間関係の悩みや仕事のストレス、人生の意味についての葛藤など、現代を生きる私たちが今なお抱く問題に対して、漱石がどう向き合っていたのかが実に示唆的です。 特に心に残ったのは、漱石が「完全な人間になることを求めるのではなく、不完全さとの付き合い方」について述べている部分です。39歳になった今、自分の限界を受け入れることの大切さを改めて感じさせられました。古典でありながら、その言葉は決して古びていません。会社員として日々を過ごす中で、立ち返るべき考え方がここにはあります。慎重に本を選ぶ私だからこそ、自信を持っておすすめできる作品です。

感想

夏目漱石について深く知りたいと考えていたところ、この本が話題になっているのを見かけて手に取りました。 漱石の小説は何度も読んでいますが、彼がどのような人生観を持っていたのかは、作品だけからは見えにくい部分がありました。この『人生論集』は、新聞や雑誌に寄稿した文章から、漱石の本音の人生論を丁寧に選び出した一冊。出久根達郎氏の解説も秀逸で、漱石という人物と彼の思想がより立体的に理解できます。 自営業をしていると、人間関係や社会との付き合い方について考えることが多いのですが、今から百年以上前に漱石が悩んでいた課題が、驚くほど現代の私たちの悩みと通じていることに気づかされました。知識人としての葛藤、人情と理屈のバランス、人生をいかに生きるべきか――これらのテーマは時代を超えて有効です。 小説の中に秘められた漱石の本心に触れたい方、人生について改めて考え直したい方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

感想

漱石の小説はずっと苦手だったのですが、この本は違いました。エッセイや講演録といった漱石自身の肉声を聞くような気分で、ぐんぐん引き込まれていきます。 出久根達郎さんの選編のおかげでしょうか、難しい思想も分かりやすく、親しみやすく感じられました。漱石が人生についてこんなに率直に、こんなに温かく語っていたなんて。教科書で習った偉大な文豪というイメージが、一気に身近な人間らしい人物に変わりました。 パート勤務で毎日忙しいので、短編ずつ気軽に読める形式も気に入っています。疲れた日の夜でも、「ああ、漱石だってこんなことで悩んでいたんだ」と思うと、なんだか慰められる気がします。知識人の内面を描いた漱石の作品群も、もう一度読み直してみたくなりました。

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