カケラ

カケラ

湊 かなえ

出版社:集英社 出版年月日:2023/01/20

集英社 | 2023/01/20

4.40
本棚登録:7人

みんなの感想

感想

『カケラ』は思った以上に重い話だった。美容クリニックの医師が、昔の同級生の悲劇を追っていくミステリーなんだけど、表面的には「ダイエット」「外見」という軽そうなテーマなのに、読み進めるにつれて深い暗さに引き込まれていく。 特に印象的だったのは、誰もが「正解」だと思ってる事柄が、実はその人にとっては地獄になり得るってところ。母親のドーナツ、運動神経、学校……どれもが普通は良いことなのに、それが全部その少女を追い詰める要因になってる。怖いよ、正直に言うと。 話自体は複雑で、何度か読み返しながら理解するところがあったんだけど、だからこそ余計に考えさせられた。医師の視点から固定観念をほぐしていく流れも上手だし、伏線の張り方も巧妙。軽い読み物を求めてたら拍子抜けするかもしれないけど、ちょっと思考的な読書がしたい時にはいいと思う。湊かな作品の中でも指折りの傑作だね。

感想

心理ミステリーということで、いろいろなレビューを見比べて慎重に購入を決めた一冊です。 美容クリニックの医師と幼なじみの会話から始まる物語は、表面的なテーマだけでは終わりません。外見へのコンプレックス、親子関係、そして社会的な圧力——こうした複雑に絡み合った要素が、丁寧に紐解かれていく感覚が印象的でした。 最初は少し重たいテーマだったので読み始めに躊躇していたのですが、意外とページが進みやすく、気がつくと一気読みしていました。登場人物たちの心情描写が細やかで、誰もが悪者ではなく、それぞれが葛藤を抱えている様子がリアルに伝わってきます。 ただし、結末については人によって解釈が分かれる可能性があります。完全に謎が解ける爽快感を求める人には物足りなく感じるかもしれません。ですが新社会人の自分にとっては、むしろそうした曖昧さが、人間関係の複雑さについて考えさせられる良い機会になりました。 仕事で疲れた夜の読書には、ちょうどいい緊張感と深さを備えた作品だと思います。

感想

湊かな先生の『カケラ』をようやく読み終わりました。気軽に手に取った本でしたが、予想外の深さに引き込まれてしまいました。 美容クリニックの医師が、幼なじみとの再会をきっかけに、昔の同級生の娘の謎めいた死を巡る話なんですが、これが本当に考えさせられます。外見のことで悩む少女の心の奥底に何があったのか、丁寧に描かれていて、読んでいて胸が痛くなりました。 年をとった自分だからこそ、人の見た目や世間体に縛られることの辛さがよく分かるんです。この作品は、そうした固定観念がいかに人を追い詰めるのかを問いかけているんだと思います。 ミステリー要素もあって、ページをめくる手が止まりませんでした。人間関係や心理描写がリアルで、登場人物たちの葛藤が本当に切実に感じられます。文庫本なので気軽に読めるのも良いですね。 人の幸せって何なのか、そもそも外見ってそんなに大事なのか。そんなことを考えさせてくれる、味わい深い一冊です。60を過ぎた今だからこそ出会えて良かった。

感想

話題になっていたこの本、やっと読むことができました。美容クリニックの医師が主人公という設定が興味深く、手に取るきっかけになったんです。 「やせたい」という相談から始まる物語なのですが、そこから浮かび上がる人間関係の複雑さ、外見にまつわる世間の目の厳しさが本当に心に響きました。特に亡くなった少女の背景を巡るミステリー要素がじわじわと効いてきて、一気読みしてしまいました。 読んでいて思ったのは、私たち主婦世代も知らず知らずのうちに外見に関する固定観念に縛られているんだということです。娘たちの世代はさらに大変なんだろうなと考えさせられました。 湊かな特有の丁寧な心理描写で、登場人物たちの繊細な感情が丹念に描かれています。ミステリーとしても秀逸で、謎解きの過程も満足度が高かったです。ただ、後半は少し重くなるので、気分によっては読むタイミングを選ぶかもしれません。 話題になるだけの価値がある、良い作品だと思いました。

感想

湊かなさんの『カケラ』を読み終わりました。話題になっていたので気になっていたのですが、期待通りの傑作でした。 美容クリニックの医師が、かつての同級生の死の謎に向き合っていく――一見シンプルなプロット設定ですが、外見や痩せることへの執着、親子関係、そして「幸せとは何か」という本質的な問いが、緻密に織り込まれています。 特に心に残ったのは、登場人物たちの内面描写の深さです。一人ひとりが抱える葛藤や秘密が、丁寧に、けれど押し付けがましくなく明かされていく。私たち女性が人生で向き合う「外見」という課題について、改めて考えさせられました。 同世代だからこそ共感できる部分も多くありました。親の世代との価値観のズレ、子どもたちが置かれている現在の環境の厳しさ。ページをめくる手が止まりませんでした。 最後の真相にたどり着いた時、この物語全体が一つの美しい形になっていることに気づかされます。まさに「カケラ」というタイトルの意味が腑に落ちます。本当に素晴らしい作品です。

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