探偵小石は恋しない

探偵小石は恋しない

森 バジル

出版社:小学館 出版年月日:2025/09/18

小学館 | 2025/09/18

4.60
本棚登録:7人

みんなの感想

感想

松本清張賞受賞作ということで手に取ったのですが、期待以上の面白さでした。 主人公の小石が不倫調査ばかり請け負う探偵というユニークな設定がいいですね。ミステリオタクなのに現実はそうじゃないというギャップが可笑しくて、ページをめくる手が止まりません。一見すると日常的な浮気調査の話かと思いきや、後半で一気に真相が反転します。 何が良かったって、ミステリの構成がほんとに綺麗なんです。散りばめられた伏線が最後にきちんと回収される快感。公務員という日々ルーティンの仕事をしている身としては、小石が地道に調査をこなす姿勢にも共感できました。 相談員の蓮杖とのやり取りも素敵で、淡々とした会話の中に信頼関係が見えるのがいいんですよ。タイトルの「恋しない」という言葉の意味も作品を読み終わった時により深く感じられました。 気軽に読める軽さがありながら、ちゃんと本格ミステリの満足度も得られる。通勤時間に読むのに最適な一冊です。続編もぜひ読みたい。

感想

本の帯に「ネタバレ厳禁」と大きく書かれていたので、期待値を高くして手に取った。その判断は正解だった。 探偵小石のキャラクターが実にいい。ミステリマニアなのに依頼は浮気調査ばかり、という地味ながら人間味のある設定。その小石が色恋案件に「病的に得意」という秘密を持っているくだりから、物語の深さが見えてくる。作者は単なる謎解きの快感だけでなく、登場人物の弱さや葛藤をしっかり描き込んでいるんだ。 中盤から思いもよらない真相が明かされ、表面的には地味な色恋調査の奥底に隠された大きな事件が浮かび上がってくる構成は見事の一言。自営業で日々現実的な判断を迫られる身からすると、こういう「だから奴はそう動いたのか」という納得の瞬間が本当に心地いい。 松本清張賞を受賞した新鋭ということにも納得。上質なミステリの文法をきちんと守りながら、読み手の想像を巧妙に誘導する手腕は本当に洗練されている。気軽に読めるのに、読み終わったあとに「やられた」という感覚が残る。これぞ本格ミステリの醍醐味だと思う。

感想

図書館で見かけて、レビューを参考にしながら慎重に選んだ一冊です。本格ミステリということでしたが、これまで読んできた推理小説とは趣が異なり、いい意味で期待を裏切られました。 探偵小石という変わった主人公が、つまらない色恋沙汰の調査ばかりしているという設定が、最初は少し心配でしたが、読み進むうちにその単調さが物語の巧妙な仕掛けになっていることに気づきます。一見平凡な日常の中に、目立たないように事件が隠されていく。その構成の妙に感心させられました。 松本清張賞作家という肩書きに惹かれて手に取った作品ですが、新しい才能の息吹を感じます。ページをめくる手が止まりませんでした。ミステリが好きな方はもちろん、人間関係の複雑さを丁寧に描いた物語をお探しの方にもおすすめできます。真相に辿り着いたとき、じんと胸に来るものがありました。

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