成瀬は信じた道をいく
新潮社 | 2026/06/24
みんなの感想
本屋大賞受賞作の続編ということで、さっそく文庫版を手に取りました。前作『成瀬は天下を取りにいく』の魅力的な主人公・成瀬あかりがまた登場するということで、期待感は高まっていたのですが、予想を上回る面白さでした。 今回は「失踪」という衝撃的な設定から始まります。なぜ彼女が姿を消したのか、その謎を中心に物語が展開していくのですが、ページをめくる手が止まりません。成瀬というキャラクターの奥深さ、そして周囲の人間との関係性の描き方が本当に秀逸です。 自営業をしていると、仕事での選択や人間関係について、つい登場人物たちの行動と重ねてしまいます。特に成瀬が「信じた道をいく」というタイトルにもある通り、自分の信念を貫く姿勢は、この年代だからこそ響くものがありました。 文庫本というお手頃な価格で、気軽に手に取れるのも嬉しい点です。前作を読んでいない方も楽しめますが、シリーズ通して読むことで、さらに深い満足感が得られるはずです。話題の作品、本当にお勧めします。
本屋大賞受賞作の続編とあって、どうしても期待値が高くなってしまうものですが、この作品はそれを見事に上回ってくれました。前作『成瀬は天下を取りにいく』で描かれた、あの魅力的な主人公・成瀬あかりが失踪するという設定だけで、もう心をつかまれてしまいます。 自営業をやっていると、人間関係や人生観について考える機会が多いのですが、この作品はそうした深い思考をさせてくれる。幼馴染の島崎視点で物語が展開していくのですが、その距離感がいい。完全に成瀬を理解しているわけではない、でも信頼している。そういう関係性が丁寧に描かれていて、読んでいて心温まる場面が随所にありました。 文庫版だから気軽に読めるのも魅力。移動中や休憩時間にちょうどいい。人生経験を積んだ大人だからこそ響く、成瀬の選択と覚悟。もう一度、あかりに会えたことが本当に嬉しかった。続きがあるなら、また追いかけたいと思う一冊です。
前作の盛り上がりを受けてのシリーズ第2弾ということで、期待を抱いて手に取りました。文庫化されたのもちょうど良いタイミングだったのでしょう。 率直に言うと、可もなく不可もない、という感じです。成瀬というキャラクターは確かに魅力的で、彼女の行動原理や人間関係の描き方には丁寧さが感じられます。失踪という予期せぬ展開も、読み手を引き込む工夫なのだと思います。 ただ、前作で築かれた世界観を引き継ぎながらも、新しい物語として際立つ何かが欠けている印象を拭えません。島崎という視点人物も登場しますが、その掘り下げがやや物足りない。フリーランスとして仕事の合間に読む身としては、ページをめくる手が止まるほどのめり込む場面に乏しかったというのが正直なところです。 成瀬シリーズのファンであれば確認の意味で読む価値はあるでしょう。ただ、シリーズ初心者や新規の読者にとって、本作単体での推薦度は中程度といったところです。次巻への期待を込めて、完結まで追いかけるかは、もう少し慎重に判断したいところです。