風が強く吹いている

風が強く吹いている

三浦 しをん

出版社:新潮社 出版年月日:2009/07/01

新潮社 | 2009/07/01

4.50
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

39歳になると、青春小説というジャンルは自分の人生とは別の世界だと思い込んでいました。ですがこの本は、その先入観を見事に打ち砕いてくれました。 箱根駅伝という目標に向かって走る10人のランナーたちの物語なのですが、彼らの葛藤や成長の過程が、年代を問わず心に響きます。それぞれが異なる背景や想いを抱えながら、襷を繋ぐという行為を通じて仲間と繋がっていく—その描写の丁寧さに引き込まれました。 何より素晴らしいのは、「速く走る」ことではなく「強く走る」ことの意味が、静かに、しかし力強く伝わってくることです。仕事で疲れた日常を送る私たちにとって、彼らが自分の限界に向き合う姿勢は確かな励ましになります。 文章も読みやすく、長編ながら一気読みできました。時間があるときにゆっくり味わおうと思っていたのに、気がつけば徹夜してしまったほどです。39年生きてきて改めて感じる「純粋さ」への憧れと尊敬が、このページを送る手を止められなくしました。

感想

駅伝というテーマで、こんなに多くの人々が共感を呼んでいるのだから、どんなストーリーなのか気になって手に取ってみました。 確かに、十人十色のランナーたちが各自の葛藤を抱えながら襷を繋ぐという設定は魅力的です。走ること=生きることという普遍的なテーマも、人生経験をそれなりに積んだ身には、一定の説得力がありました。ページを重ねるごとに、登場人物たちへの感情移入も深まっていきます。 ただ、正直に言えば、予想以上の感動や発見を得られなかったというのが本音です。青春小説としての熱量は確かにあるのですが、個人的には描写が少々一本調子に感じられました。もっと繊細な心理描写や、大人だからこそ見える別視点があれば、異なる印象を持ったかもしれません。 フリーランスという立場で、自分の限界と向き合う日々を送っている身からすると、「強く走る」というメッセージは心に留まります。ただ、それが新しい気づきにまで昇華しているかというと、微妙なところです。悪くない本ですが、期待値ほどの出会いではありませんでした。

感想

正直に言うと、最初は駅伝小説ってどうなんだろう、と躊躇していました。でも評判がいいレビューが多かったので試しに読んでみたら、これが本当に良かった。 灰二というメインキャラが箱根駅伝への憧れを抱いていて、天才ランナー走と出会うところから物語が動き始めるんですが、この二人の関係性が最高です。走ることへの向き合い方が全く違う二人が、仲間を集めていく過程がすごく丁寧に描かれていて、引き込まれました。 何より驚いたのは、十人のメンバー一人一人に背景と葛藤があって、それぞれの人生が交差しながら駅伝という目標に向かっていく構成。自分たちの限界に挑戦するって何か大事なことを学んでいる感覚になります。青春小説ってこういうことなんだ、って改めて感じました。 スポーツ系だけど、派手な描写よりもキャラの心理描写がメインなので、漫画やラノベが好きな自分でもすんなり読めたのが良かったです。長さもちょうどいい。本気でおすすめできる一冊です。

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