ナイン・ストーリーズ

ナイン・ストーリーズ

J・D・サリンジャー

出版社:新潮社 出版年月日:1974/12/24

新潮社 | 1974/12/24

4.43
本棚登録:9人

みんなの感想

感想

サリンジャーの短編集を手に取るのは久しぶりだ。「ライ麦畑」より完成度が高いという帯の惹き文句に引き込まれて、つい購入してしまった。 読み始めてすぐに、この短編集の魅力に気付く。各篇で描かれるのは、一見平凡な日常の中に潜む違和感や心の奥底の痛みだ。特に表題作の「バナナフィッシュにうってつけの日」は、表面的な優雅さと内面の葛藤のズレが秀逸である。家族間の微妙な感情のやり取りが淡々と描かれながら、読者には重い余韻が残される。 仕事で人間関係に疲れた時期だったせいか、登場人物たちの複雑な心情がことさら沁みた。サリンジャーのように深く掘り下げながらも、ユーモアや風刺を忘れない筆致は、人生経験を積んだ今だからこそ味わい深い。短編という形式も絶妙で、各篇を一気読みできる気軽さがありながら、その後もしばらく考えさせられる。 働き盛りの管理職こそ読むべき一冊だと思う。人間不信に陥りかけた心に、ちょうどいい刺激を与えてくれた。

感想

話題の短編集だと聞いて、ずっと気になっていた一冊です。サリンジャーの作品は学生時代ぶりでしたが、大人になって読み直すとこんなに深いものなんだと驚きました。 表題作の「バナナフィッシュにうってつけの日」は、一見するとナンセンスな物語なのに、そこに込められた人間の複雑さと悲しさが胸を打ちます。グラース家の人物たちの関係性も魅力的で、短編ながら物語の奥行きを感じさせます。どのお話も独特の世界観を持っていて、一気読みしてしまいました。 「ライ麦畑」より完成度が高いというのも納得です。より洗練された表現と、深く考えさせられるテーマばかり。現代に読んでも決して色褪せない普遍的なテーマが詰まっています。 今、話題の本を追いかけている身ですが、こういう古典的名作を改めて手に取る大切さを実感しました。年を重ねたからこそ気づける味わいというのもあるんですね。同じ世代の皆さんにも、ぜひ一度手に取ってほしい一冊です。

感想

図書館で見かけて、なんだか面白そうだなと手に取った一冊です。短編集ということで、気軽に読み進められるだろうと思ったんですよ。 しかし、開いてみてびっくり。なんともへんてこな世界観が広がっていて、最初は「これは何を言っているんだろう」と首をかしげてしまいました。でも、読み進めるうちに、その不思議さに引き込まれていくんです。登場人物たちの微妙な心情や、日常の中に潜む深い悲しみが、不思議な表現を通して伝わってくる。 特に印象的だったのは、見かけ上は平凡な出来事なのに、その背景にある複雑な人間関係や心理が浮かび上がってくるところ。年を重ねた者にとっては、人間のこういう微妙な部分がよく理解できるせいか、とても心に響きました。 短編ごとに毛色が違うので、飽きることなく楽しめます。難しいと感じる箇所もありますが、だからこそ何度も読み返したくなる。久しぶりに、本当に良い本に出会えたという実感があります。

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