人間の土地

人間の土地

サン=テグジュペリ

出版社:新潮社 出版年月日:2012/12/01

新潮社 | 2012/12/01

3.50
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

サン=テグジュペリの『人間の土地』を読み終わった。飛行士という異色の職業から生まれた視点が、これほど普遍的な人間観につながるとは予想外だった。 仕事の合間に少しずつ読み進めたのだが、どのページにも「人生ってこういうことなんだ」という納得感がある。砂漠での経験、戦争での喪失感、人間関係の本質——技巧的な表現ではなく、むしろ素朴な言葉で心に届く力がある。フリーランスとして自由に仕事をしている身としては、自分の人生と重ね合わせながら読むことができた。 文庫版なので手軽に持ち歩けるのも良い。長編小説を読む時間がない時期こそ、こういったエッセイ的な作品が読みたくなる。深い思想性があるのに、肩肘張らず気軽に読める——本の理想形だと感じた。何度でも手に取りたくなる一冊です。

感想

サン=テグジュペリの著作だということで、じっくり時間をかけて読み進めてみました。ただ残念ながら、期待していたほどの感動には至りませんでした。 エッセイと小説の中間といった性質の作品のようですが、その点が却って曖昧に感じられてしまい、物語として読むにも思索として読むにも、何か足りないような印象が拭えません。著者の人生経験に基づいた描写には確かに深みがありますが、文体の運びが現代の読者にとっては少し硬くて、読み続けるのに相応の忍耐を要しました。 古い時代の作品ですから、価値観や表現方法の違いは当然承知していましたが、この本に関しては、その時代的な距離感がむしろ内容を遠ざけてしまった感じがします。推薦いただいている方も多いようですので、好まれる方にはきっと素晴らしい読書体験となるのだろうと思いますが、正直なところ私の好みには合いませんでした。慎重に選ぶ性質ですので、今後別の著作に挑戦するかどうかはよく検討してから判断したいと考えております。

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