夜のピクニック
新潮社 | 2004/07/30
みんなの感想
話題になっているだけあって、本当に素敵な作品ですね。夜通し歩き続ける高校生たちの物語なのですが、読んでいて自分たちの青春時代を思い出してしまいました。 貴子という主人公の三年間の想いや、クラスメイトとの関係性が丁寧に描かれていて、一夜の歩行祭という限られた時間のなかで、それぞれがどう向き合うのかという緊張感がずっと続きます。特に「やらなければならないこと」と「本当にしたいこと」の葛藤が、私たち大人にも他人事ではないテーマで、グッと引き込まれました。 著者の恩田陸さんの描写が本当に素晴らしくて、疲労が積み重なっていく中での心理描写やら、夜明けが近づく時の空気感やら、読んでいてまるで自分も一緒に歩いているような感覚に陥ります。若い世代だけでなく、人生経験を積んだ大人こそ味わい深く読める作品だと思います。 気軽に読めるけれど、きちんと心に残る良質なエンタメ小説。仕事で疲れた時こそ、こういう作品に癒されるのだと改めて感じました。
SNSで話題になってるのを見かけて、思わず手に取ってしまいました。正解でした。 夜通し八十キロを歩く「歩行祭」という設定だけで既に惹かれたんですが、読み進めるにつれて、これって単なる青春イベント小説じゃなくて、もっと深い人間ドラマなんだなって気づきました。歩きながら少しずつ明かされていく登場人物たちの秘密や想い。暗い夜道の中で、懐中電灯の灯りの先に見えてくるような、そういう感覚。 貴子のキャラクターがすごく好きです。自分の気持ちに向き合おうとしながらも、焦りや戸惑いがある感じが、私たちの世代にもリアルに届く。友達とのやりとりも懐かしくて、自分の学生時代を思い出させられました。 何より感動したのは、短い一夜の出来事なのに、人間関係や感情の変化がこんなに深く描けるんだということ。予測不能な展開も多くて、最後のページまで目が離せませんでした。話題になってる理由がよく分かります。ぜひ周りの友達にも勧めたい一冊です。
高校生活の最後の夜を舞台にした作品だと聞いて、正直なところ少し躊躇しました。青春小説は時に説教的になりがちですし、歳をとった自分が感情移入できるか不安だったのです。しかし、読んでみると杞憂でした。 著者・恩田陸の筆致が秀逸で、八十キロの歩行祭という限られた時間軸のなかで、複数の視点から高校生たちの心理が丁寧に描かれています。特に印象的だったのは、貴子が抱える「秘密」の扱い方。謎めかしているだけでなく、それが人物たちの関係性にもたらす影響まで考慮された構成になっていて、引き込まれました。 フリーランスとして働く身だからこそ感じるのですが、現在と過去の時間が複雑に絡み合う物語構造が心地よく、読みながら自分の人生を重ねる瞬間もありました。青春とは何か、友情とは何かを改めて問い直す作品です。純粋なエンタメとしても秀逸で、迷わず勧められる一冊です。
話題作だということで図書館で借りてみました。高校生たちが夜通し八十キロ歩くというユニークな設定は面白いなと思ったのですが、正直なところ、読み進むのに疲れてしまいました。 若い子たちの心情の揺れ動きや、友人関係の複雑さは丁寧に描かれているのだと思います。ただ、ページをめくっても登場人物たちの悩みや秘密が次々と出てきて、私のような年寄りには少し感情移入が難しかったですね。歳を取ると、そういう若い頃の葛藤を思い出すのも大変で(笑)。 また、途中で出てくる伏線のような話も、最後までどう繋がるのか、読んでいる最中はもやもやした感じが残りました。最後まで読むと色々と明かされるのかもしれませんが、私にとっては少し複雑すぎたのかも。 若い世代にはきっと響く作品なんだろうなとは感じます。ただ、私みたいなシニア世代には、もう少しすっきりとした読後感があると嬉しいなと思いました。