国家の品格

国家の品格

藤原 正彦

出版社:新潮社 出版年月日:2005/11/17

新潮社 | 2005/11/17

4.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

この本を手にしたのは、育児と家事に追われる日々の中で、日本という国について改めて考えたくなったからです。藤原正彦氏の議論は、確かに刺激的で、読んでいて思考が揺さぶられます。 「情緒と形の文明」という表現が特に印象的でした。グローバル化の波に飲まれ、効率性ばかりを追求してきた日本が、何か大切なものを見失っているのではないかという問題提起は説得力があります。論理一辺倒ではなく、情緒や武士道精神といった、言語化しにくい価値観の重要性を唱える視点は、新しくもあり、古き良き日本の知恵を再評価するものとして興味深い。 ただ、個人的には全てに同意するわけではありません。国際化とアメリカ化を同一視する部分や、民主主義よりも武士道精神という論旨には、やや単純化されているのではないかという違和感も感じます。 それでも、子どもたちに何を継承していくべきかを考える親として、この問題提起は価値があります。完全に同意しなくとも、自分たちの文化や伝統について深く考えるきっかけをくれる、そういう意味で良い一冊だと思います。

感想

受験勉強の合間に読んだ一冊ですが、正直ここまで考えさせられるとは思いませんでした。著者が主張する「情緒と形の文明」という日本文化の本質に関する議論は、単なる愛国心の鼓舞ではなく、深い哲学的思考に基づいているように感じます。 特に印象的だったのは、論理一辺倒の思考に対する批判です。グローバル化やアメリカナイズの波に呑まれて、日本人が自らの文化的基盤を見失ってきたという指摘は重たい。確かに現代の教育現場でも「論理的思考」ばかりが強調されているのに、なんだか違和感を感じていました。武士道精神や国語教育の重要性についても、新鮮な視点をもらいました。 批判的な意見もあるのでしょうが、少なくとも自分たちが継承すべき文化的遺産が何かを真摯に考えるきっかけをくれた。高校生の今だからこそ、こういう根本的な問いに向き合う価値があると思います。手頃なサイズで読みやすいのもいい。日本人としてのアイデンティティについて考えたい人に、ぜひ勧めたい作品です。

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