黄色い家(上)

黄色い家(上)

川上未映子

出版社:中央公論新社 出版年月日:2025/11/20

中央公論新社 | 2025/11/20

4.00
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

本屋大賞ノミネートという帯につられて手に取ったのが正解でした。 ニュースで見かけるような事件を題材にしながら、その背景にある人間関係や心理を丁寧に掘り下げていく構成が面白い。エンジニアという職業柄、複雑なシステムを理解するのは得意なんですが、この小説もまさに人間関係という「複雑系」をすごく上手く描いているなって感じました。 20年前の記憶と現在が交錯する構成も効果的で、「あの時点でこう判断していたら…」という後悔や疑問がリアルに伝わってきます。金銭問題が絡むことで人がどう変わっていくのか、その過程が冷徹に、でも決して冷たくなく描かれているのが印象的。 上巻ということで続きが気になるのですが、まずはここまでの流れだけでも充分に満足度の高い読み応えです。重めのテーマですが、想像以上にページが進むので週末の読書にもぴったり。下巻も早く読みたい。

感想

本屋大賞ノミネート作ということで手に取ってみたんですが、思いのほかハマってしまいました。あるニュース記事をきっかけに、主人公花の20年前の記憶が蘇っていく──その構成だけで引き込まれます。 人がお金に狂う心理、そして罪を犯してしまう過程を丁寧に追っていく感じが、本当に考えさせられました。事件の加害者と被害者という単純な構図ではなく、もっと複雑な人間関係と心理がそこにあるんだっていうのが伝わってくる。上巻だけでもこのボリュームで、人物たちの背景がこんなに立体的に描かれているのってすごい。 ページをめくる手が止まらなくなるタイプの物語ではなく、むしろ各章を読むたびに一呼吸置いて考えてしまう、そういう読み応えがあります。重めの話題ですが、だからこそ下巻への期待値が高まっています。文庫版で読みやすいのも嬉しいポイント。続きが気になって仕方ありません。

感想

本屋大賞にノミネートされたとのことで、期待を持って手にした一冊です。人間が金銭欲に駆られ、罪を犯していく心理の深層を探る という設定に、自分自身の人生経験と重ねながら読み進めました。 著者の筆運びは丁寧で、登場人物たちの背景や心情描写が細やかです。監禁・傷害事件という衝撃的な事件と、それに至るまでの20年前の記憶を絡ませた構成は秀逸。単なるサスペンスではなく、人間関係の脆さや依存、そして予測不可能な運命の転換点について考えさせられました。 ただし、上巻という制約もあり、物語がまだ途中であることに若干の物足りなさは感じます。この先の展開を確認したいという欲求が湧いており、下巻への購入も視野に入っています。人間ドラマとしての質は十分に高く、同年代の読者にも強く推奨できる作品です。丁寧に構築された世界観の中で、じっくり読む価値のある一冊だと思います。

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