うぽっぽ同心十手裁き 迷い蝶

うぽっぽ同心十手裁き 迷い蝶

坂岡真

出版社:中央公論新社 出版年月日:2026/01/22

中央公論新社 | 2026/01/22

4.00
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

「十手裁き」シリーズの最終巻ということで、かなり慎重に読み始めたのですが、正解でした。長尾勘兵衛という主人公の抱える過去の重さと、現在の事件がこんなにも緻密に絡み合うとは思いませんでした。 水茶屋の看板娘失踪という表面的には単純な事件が、実は複数の因縁が交錯する深刻な事態へと発展していく過程が見事です。特に勘兵衛が妻の失踪事件と重ね合わせる場面では、キャラクターの内面的な揺らぎがしっかりと伝わってきました。 時代小説として充分な娯楽性を保ちながら、人物の心理描写に注力している点がこの作品の強みだと感じます。エンジニアの仕事柄、ロジカルな展開を求める傾向がありますが、この作品はプロット的にも登場人物の動機付けについても隙がなく、最後まで引き込まれました。 シリーズの完結巻として、主人公の長年の懸案にどのような決着がつくのかという期待値も高かったのですが、期待以上の納得感を得られました。時代小説ファンはもちろん、人物描写に定評がある作品を探している方にもお勧めできます。

感想

図書館で見かけて、シリーズ最終巻ってことで手に取ってみました。江戸時代の同心が事件を解く時代冒険譚ですね。 面白いは面白いんですけど、正直なところ期待値と合わなかったというか。登場人物の過去が複雑に絡み合う設定は良いし、ミステリー的な引っかかりもあるんですが、物語がちょっと重い雰囲気で進んでいく割に、終わり方がスッキリしない感じがしました。最終巻だからもっと盛り上がると思ってたけど、なんか途中から話についていくのが大変で。 勘兵衛っていう主人公の過去のトラウマと現在の事件が繋がってるっていう構造は面白いんですよ。でも文庫本の厚さの割には、登場人物の心情描写が多くて、事件の謎を解くスピード感がちょっと足りない気がします。 ライトノベルとか漫画をよく読む身としては、もう少しテンポよく読めると良かったな。時代小説を深く読み込みたい人には良さそうですが、僕みたいに軽く楽しみたい系の読者には微妙かもです。

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