シャーロック・ホームズとハイゲイトの恐怖 下

シャーロック・ホームズとハイゲイトの恐怖 下

ジェイムズ・ラヴグローヴ / 日暮 雅通

出版社:早川書房 出版年月日:2026/02/18

早川書房 | 2026/02/18

4.00
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

シャーロック・ホームズとクトゥルー神話の融合という、かなり意欲的な企画だったのですが、正直なところ上巻に比べて下巻は少し息切れしている印象を受けました。 ホームズの推理力とエルドリッジ・コットの恐怖小説の世界観を組み合わせるというコンセプト自体は面白いのですが、後半に進むにつれて、パスティーシュとしての魅力と原作への敬意のバランスが若干崩れてきたように感じます。特に怪異な存在たちとの対峙の場面は、期待値が高かった分、もう少し深掘りしてほしかったというのが率直な感想です。 ただし、アイリーン・アドラーとの再会の場面や、北極海の秘話といった細部の設定は依然として丁寧で、原作ファンなら確実に楽しめる部分は多々あります。総じて、シャーロック・ホームズとダークファンタジーの両方を愛する読者向けの作品ですが、どちらかといえば前作の方が完成度が高かったというのが最終的な評価になってしまいます。

感想

下巻に入って、いよいよこの物語の真相が明かされていく。正直なところ、シャーロック・ホームズとクトゥルー神話の組み合わせなんて、最初は奇抜すぎるんじゃないかと思っていた。だが読み進めるうちに、その融合がこれ以上なくぴったりとはまっていることに気づかされた。 ハイゲイト墓地から始まる謎が、次々と異なる事件と繋がっていく構成の見事さ。教科書を教えるときと同じで、各要素がきちんと整理されて積み上がっていくのを見ると気持ちがいい。ホームズの推理の鮮烈さと、得体の知れない恐怖とが同時に味わえるというのは、なかなか得難い経験だ。 特に好きなのは、このパスティーシュが単なる二次創作に留まらず、オリジナルのホームズ作品のエッセンスを丁寧に継承しながら、新しい世界観を構築しているところ。キャラクターたちが活き活きと動いている。 30年にわたる戦いの決着は、予想外でありながらも納得がいく。気軽に楽しめる本を探していたら、思わぬ傑作に出会えた。文庫本だから持ち運びも楽だし、本当にお勧めだ。

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