秘密

秘密

東野 圭吾

出版社:文藝春秋 出版年月日:2001/05/01

文藝春秋 | 2001/05/01

4.00
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

新聞の映画評で紹介されていたのがきっかけで、手に取った一冊です。お話の筋立てが大変ユニークで、最初は戸惑いながら読み始めましたが、引き込まれてしまいました。 妻と娘という二人の関係性が、予期せぬ形で変わってしまうという設定。一見すると奇想天外に思えますが、著者の丁寧な筆致のおかげで、登場人物たちの切実な想いがひしひしと伝わってきます。娘の体に宿った妻の存在を、家族がどう受け入れていくのか。その葛藤や絆のありようが、深く胸に響きました。 長篇とはいえ文庫本なので読みやすく、一気読みしてしまう魅力があります。展開の意外性だけでなく、家族とは何か、愛とは何かというテーマまで考えさせられる作品です。人生経験を重ねた今だからこそ、このお話の良さがより一層理解できたような気がします。映画化もされたということで、興味深い魅力があるのでしょう。年代を問わず多くの方に読んでいただきたい、素敵な作品だと思います。

感想

映画化作品だからって気軽に手を取ったけど、これは本当に面白かった。妻が娘の体に宿るという、一見SFのようなコンセプトながら、そこから生まれるのは家族の愛情と喪失についての深い思考。妻を失った絶望と、娘の中に妻がいるという奇跡的な状況のはざまで揺れ動く父親の心理描写が秀逸だ。 赤川次郎の筆力が本当に光っていて、どんどん引き込まれていく。表面的には不可思議な設定なのに、登場人物たちの感情や迷いが丁寧に描かれているから、現実感を持って読み進められる。謎解きの要素もありながら、最後に待っているのはミステリーとしての爽快感というより、人間関係の複雑さと向き合う静かな感動。 フリーランスだから日々の仕事の合間に少しずつ読んでいたんだけど、気がつくと徹夜してしまうほどの面白さ。家族と秘密、生と死について考えさせられるいい作品。文庫版も読みやすくて、長編ながら一気読みできる良さがあります。

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