自閉児への教育的接近

自閉児への教育的接近

玉井収介 / 宮脇修

出版社:教育出版 出版年月日:1977/08/01

教育出版 | 1977/08/01

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

自閉スペクトラム症の支援について学ぶ機会が増えている中で、本書を手に取りました。実践的な教育アプローチを求めていた私にとって、この本は期待を裏切らない内容でした。 著者の丁寧な観察と分析に基づいた教育方法論が、実例を交えながら展開されていきます。特に印象的だったのは、自閉児の認知世界を理解しようとする姿勢の一貫性です。単なる行動修正ではなく、その子がどのように世界を知覚しているのかを前提に支援を設計する考え方は、教育学的に非常に示唆深いものでした。 ただし、やや古い文献や手法も含まれており、現代の神経科学的知見との接続について、より詳しい記述があれば尚良かったと感じます。また、具体的な事例がもう少し多いと、より多くの教育現場で応用しやすかったのではないでしょうか。 それでも、支援者側の観点から自閉児教育の基礎を学ぶ際の参考書として、十分な価値があります。大学院での研究を進める上でも有用な一冊となりました。

感想

子どもの成長や教育について考える機会が増えた最近、手に取った一冊です。自閉児への教育的アプローチについて、理論と実践のバランスが素晴らしい。著者の確かな知識に基づきながらも、決して難解にならず、むしろ教育現場や家庭で実際に活かせる知見が随所に散りばめられています。 特に印象的だったのは、自閉児の学習特性を尊重しながら、いかに個々の可能性を引き出すかという視点の一貫性です。一般的な教育方法を押し付けるのではなく、その子自身の強みや困難さを丁寧に観察し、適切な支援を構築していくプロセスが丹念に描かれていました。 子育てに関わる立場としても、親や教育者が陥りやすい思い込みに気づかせてくれる点が有難い。知識としてだけでなく、心構えの部分でも学べる良書だと感じます。もし特別支援教育に関わる方でなくとも、人間の多様性を理解したいと考える方には十分な価値があると思います。

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