「横浜」をつくった男

「横浜」をつくった男

高木 彬光

出版社:光文社 出版年月日:2009/09/08

光文社 | 2009/09/08

4.33
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

高島嘉右衛門という人物については、正直なところ名前さえ聞いたことがなかったので、この本で初めて知ることができました。幕末から明治という激動の時代を生きた商人が、易経との出会いで人生を一変させるという設定は確かに興味深い。 ただ読み終わってみると、「なるほど、そういう人生もあったんだ」という納得感はあるものの、深く心を揺さぶられるような感動までには至りませんでした。歴史小説としての迫力や、エッセイとしての深い洞察があればもっと良かったのかなと思います。 新社会人として、こういった歴史的背景を持つ人物の生き様を学ぶのは悪くないんですが、正直に言うと最後まで主人公への感情移入がなかなかできなかったのが正直なところ。きっと丁寧に書かれた作品なんでしょうけど、自分の好みとしてはもう少し強いメッセージ性やドラマ性があると嬉しかったです。話題作をチェックするためには読む価値はあると思いますが、万人にお勧めできるほどの一冊ではないという印象ですね。

感想

最近、話題になっていたこの本をようやく読み終わりました。高島嘉右衛門という人物を知ったのはこの著作がきっかけですが、実に興味深い人生だ。 幕末から明治にかけて、江戸の一商人が投獄を機に易経と運命的に出会い、やがて「易聖」と称されるまでになるという劇的な人生の転換。それが単なる成功譚ではなく、時代の大きな転換期を背景に、いかに個人の才能と努力が時勢と結びついていくかが丁寧に描かれている。伊藤博文との関係なども含め、歴史小説としての完成度も高い。 私たちの世代は、こうした幕末明治の歴史人物に惹かれるものですが、本書はそうした期待を十分に満たしてくれます。易経という東洋古典の深い知識も織り込まれており、単なる時代小説の枠を超えた、思想的な奥行きも感じられた。 光文社文庫という手頃なフォーマットも良い。これは多くの読者に勧めたい一冊です。

感想

歴史冒険小説として期待して読み始めたのですが、正直なところ物足りない印象が残りました。 高島嘉右衛門という実在の人物の人生を扱った作品ですが、構成がやや散漫に感じます。投獄から易経との出会い、そして横浜での活躍という要素は興味深いはずなのに、各エピソードの繋がりが弱く、キャラクターの心理描写も深掘りが足りないように思えました。 技術者としての立場から見ると、論理的な因果関係や人物の成長過程をきちんと追えるかどうかが気になるのですが、その点で若干ストレスを感じました。易占という非合理的な世界観と歴史的事実をどう調和させるのか、もっと丁寧に描いてほしかったです。 ただし、幕末から明治という激動の時代を舞台にした設定や、実在の重要人物たちとの関わりという素材自体は悪くありません。慎重に本を選ぶ方であれば、先にほかのレビューを確認してから購入することをお勧めします。及第点ではありますが、強く推薦するほどではないというのが率直な感想です。

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