筆耕屋だんまり堂(二) 姉への恋文

筆耕屋だんまり堂(二) 姉への恋文

麻宮好

出版社:祥伝社 出版年月日:2026/02/06

祥伝社 | 2026/02/06

4.33
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

第一巻に続いてこの物語を読み進めました。筆耕師数馬が依頼人の想いに向き合う姿勢は、やはり心が温かくなります。 今回は恋文という難しいテーマを扱っていますね。ご隠居さんの心配事から始まる物語は、一見単純に見えても、その奥には人の葛藤や後悔といった複雑な感情が層をなしています。健吾の姉を思う気持ちが、思わぬ形で傷つけてしまう経過は、私たちの人生でもよくあることだと感じました。 こうした人間関係のもつれを、数馬がどのように整理していくのかが見どころです。言葉を扱う職人だからこそできる、細やかで優しい解決方法に、思わず目頭が熱くなりました。年を重ねた身からすると、人との関係を修復することの大切さが、一層身にしみます。 文庫本という手頃な形式も、何度も手に取りやすくてありがたいです。穏やかな筆致で丁寧に紡がれた人情話。人生経験を重ねた方々とのボランティア活動を通じて感じることとも通じる部分が多く、この作品をお勧めしたいと考えています。

感想

筆耕屋だんまり堂の第二弾。今回も良い作品でしたね。 前作から引き続き、文字に触れると心が見える筆耕師・数馬を中心に据えた人情譚。依頼人の想いを言葉に託して代書する、その過程で生まれるドラマが実に味わい深い。自営業で日々やり取りする人間関係の機微を感じてきた身としては、この「言葉が人を救う」というテーマには特に共感を覚えます。 今巻では恋文という題材が秀逸。若い兄妹の複雑な想いが、筆を通じてどう紡がれ、どう解きほぐされていくのか。その過程で数馬が悩み、逡巡する様子がリアルでしたね。派手さはないけれど、心に沁みる。 短編集のような構成で気軽に読み進められるのも魅力です。忙しい日々の合間に、ちょっと立ち止まって人情を感じたい時分には、こういった作品は本当に重宝します。祥伝社の文庫シリーズながら、しっかりした筆力を感じさせる。次巻も期待したくなる佳作です。

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