はじめて学ぶ社会心理学

はじめて学ぶ社会心理学

大宮録郎

出版社:大日本図書 出版年月日:1983/01/01

大日本図書 | 1983/01/01

4.50
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

新書というフォーマットを侮るなかれ。本書は限られたページ数の中で、社会心理学の本質をみごとに捉えている。 長年自営業を営む中で、人間関係や集団心理についての疑問が常々あった。顧客対応にせよ従業員との信頼関係にせよ、人間の行動には必ず心理的なメカニズムが働いている。本書はそうした現象を科学的に解き明かしてくれる。 執筆者の説明は明晰で、難解になりがちな社会心理学の理論を、日常的な事例を交えながら丁寧に展開している。認知バイアスや集団圧力、印象形成といった概念も、自身の実務経験と照らし合わせると深く腑に落ちた。 やや基礎的な内容に徹しているため、この分野の入門書としては最適だが、既に相応の知識を持つ読者には物足りなさがあるかもしれない。ただし、筆者の視点は均衡が取れており、一方的な議論に陥らない誠実さが感じられる。 知識の補強と視座の拡張という意味で、十分価値のある一冊である。

感想

仕事での人間関係に行き詰まっていた時期に、この本に出会いました。社会心理学という学問がこんなにも実践的で、かつ読みやすいものだとは予想外でした。 著者は複雑な人間行動を、丁寧に、しかし決して難解にならない言葉で解き明かしています。集団心理、対人認知、説得のメカニズムなど、日常的に経験しながらも言語化できなかった現象が、科学的根拠とともに理解できるようになりました。 特に印象的だったのは、自分の行動パターンを客観的に見つめ直すことができたという点です。職場での判断や人間関係のもつれが、実は心理学的に説明可能なものだったと気づくと、対人ストレスが軽くなりました。新書というコンパクトなフォーマットながら、内容の密度は非常に高く、読み応えたっぷりです。 これまで読んだ人文書の中でも、学術性と実用性のバランスがここまで優れた一冊は珍しい。多くの会社員に、特に人間関係で悩んでいる方に強くお勧めしたいです。

感想

社会人になってから、仕事の人間関係がなぜか上手くいかないことが増えた。同僚の言動の背景にある心理メカニズムを理解したいと思い、この本を手に取りました。 新書という手軽なフォーマットながら、社会心理学の基礎から実践的な応用まで、実に体系的にまとめられています。特に印象的だったのは、集団行動や説得のメカニズムに関する章。普段の職場で目撃している現象—なぜか集団で同調してしまう、上司の言葉が説得力を持つわけ—といった日常の疑問に科学的な説明を与えてくれます。 欲を言えば、事例がもう少し現代的・多様だと更に良かったかもしれません。ただ、人間関係の本質を学ぶという目的では十分以上の内容です。専門知識がない初学者にも理解しやすく、かといって内容が浅薄でもない。バランスの取れた入門書として、社会人にこそ読んでほしい一冊だと感じました。

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