わたしの美しい庭

わたしの美しい庭

凪良 ゆう

出版社:ポプラ社 出版年月日:2021/12/07

ポプラ社 | 2021/12/07

3.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

凪良ゆうさんの『流浪の月』を以前読んでとても感動したので、この作品も手に取りました。最初は屋上の縁切り神社という設定が少し変わっているなと感じましたが、読み進むうちに引き込まれてしまいました。 血のつながりのない家族が、当たり前のように一緒に生活し、そこに訪れる様々な人たちの物語。どの登場人物も何らかの生きづらさを抱えているのに、この作品全体を貫く温かさに心が救われます。特に子どもたちの素直さと大人の静かな優しさのバランスが素晴らしい。 ボランティアの仕事をしていると、人間関係の悩みや心の葛藤について考えることが多いのですが、この本はそうした複雑な感情を丁寧に描いています。押し付けがましくなく、自然体で物事を受け入れる登場人物たちの姿勢が印象的でした。 文庫本のサイズも読みやすく、何度も立ち返りたくなる作品です。慎重に本を選ぶ方にもお勧めできる一冊だと思います。

感想

凪良ゆうの新作ということで手に取ってみました。屋上の小さな神社を舞台に、生きづらさを抱えた人たちが訪れるというコンセプトは興味深く、独特の世界観が広がっていきます。 血がつながらない家族の温かさ、そして神社に集まる人たちのそれぞれの事情——こうした要素が丁寧に描かれており、読んでいて心が少し軽くなるような感覚を覚えました。特に主人公たちの日常のシーンは本当に素敵です。 ただ、正直なところ物語全体としては少し散漫な印象を受けてしまいました。訪れる人物たちのエピソードが積み重なっていく構成なのですが、ひとつひとつのストーリーに深みがもう一歩欲しかった感じです。短編集的な面持ちもあって、通勤時間に気軽に読むにはちょうどいいのですが、仕事で疲れた夜に期待していた「心がじんとくる感動」までは到達できませんでした。 悪くない本です。でも『流浪の月』ほどの引力は感じられなかったというのが、正直な感想です。

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