原典訳 マハーバーラタ(6)

原典訳 マハーバーラタ(6)

上村 勝彦

出版社:法藏館 出版年月日:2026/04/10

法藏館 | 2026/04/10

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

最近、インドの古典に関心を持つようになってね。この『マハーバーラタ』の原典訳は、話題になっているというので手に取ってみました。 第6巻は『バガヴァッド・ギーター』の場面から始まり、戦場での葛藤と大将ビーシュマの活躍が描かれています。インド古典の根本的な思想に触れることができるのは興味深いのですが、正直なところ、いささか読みづらさを感じてしまいました。 80年も人生を送ってくると、できれば物語に没入できる文体を好むようになるのですが、この原典訳はどうしても堅牢で、時折立ち止まって読み返す箇所が多い。もちろん、それが正確な翻訳の証であり、価値があることは理解しています。ただ、娯楽として本を読む身からすると、もう少し読み進める喜びがあってもよかったかなと思います。 インド古典に真摯に向き合いたい方には貴重な一冊でしょう。ただ、気軽に物語を楽しみたい方は、別の形式や翻訳版から入られることをお勧めします。

感想

マハーバーラタの第6巻を手に取ったのは、話題の古典翻訳シリーズの続巻という理由もありますが、やはり『バガヴァッド・ギーター』の部分が気になったからです。東洋思想に関心を持つようになった今だからこそ、この戦場での哲学的対話の背景を原典で読みたいと思っていました。 本書で最も引き込まれたのは、アルジュナの葛藤とクリシュナの説法の場面です。一族同士が戦うことへの迷いと、それを超越する視点の説き方が、非常に洗練されている。管理職として判断を迫られることの多い日常において、「結果への執着を捨てて行為する」というテーゼは深く響きます。理想と現実のはざまで誰もが感じる葛藤を、数千年前の物語の中に見出すのは興味深い経験です。 壮大な戦いの場面描写も迫力があり、古い物語とは思えないほど生き生きしています。訳も読みやすく、長編の途中でありながら一冊で完結した満足感があります。インド古典への理解を深めるうえで、確実な一冊になりました。

感想

このシリーズを1巻から追いかけてようやく第6巻にたどり着きました。正直、ボリュームの多さに何度も躊躇しましたが、ここまで来てよかったと心から思います。 バガヴァッド・ギーターの場面は特に印象深かったです。戦うことを拒むアルジュナとそれを諭すクリシュナの対話は、単なる戦闘シーンではなく、人生における選択と責任について深く考えさせられます。主婦としても、日々の小さな決断の中で「結果への執着を捨てて行為する」という言葉の重みが響きます。 また、ビーシュマという老将の描かれ方が素晴らしい。登場人物たちの複雑な動機や葛藤がていねいに表現されており、古典作品とは思えないほど現代的な人間ドラマが息づいているんです。何千年も前のテキストなのに、人間の本質は変わらないのだなと感じました。 原典訳という信頼できるテキストで、じっくり読む価値のある一冊です。長い物語ですが、その分の報酬がちゃんと返ってくる良質な読書体験ができました。

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