ありか

ありか

瀬尾まいこ

出版社:水鈴社 出版年月日:2025/04/18

水鈴社 | 2025/04/18

4.20
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

瀬尾まいこのこの作品は、本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』の評判から期待を込めて手に取った。著者自身が「人生を全部込めた」と語るだけあって、家族という小さな世界の中に、実に深い人間ドラマが息づいている。 シングルマザーの主人公・美空と、彼女を取り巻く家族たちの関係性が丹念に描き出されている。親になることで初めて気づく親への感謝、それでいて親との葛藤は消えない、という矛盾と葛藤。自営業の身として、仕事と家庭のバランスを取る難しさを思いながら読み進めると、この物語が単なる家族小説ではなく、人間関係の本質を問う作品であることに気づかされる。 特に印象的だったのは、各登場人物の内面が丁寧に掘り下げられている点だ。一見すると複雑に見える人間関係も、著者の筆遣いにより、その根底にある愛情や葛藤が自然と理解できる。人文・思想的な深さと、読みやすい物語性が見事に調和している。 人生経験を重ねた読者ほど、この作品の真価が理解できるのではないだろうか。

感想

瀬尾まいこさんの『ありか』を読み終わった時、深く息をついてしまいました。シングルマザーの美空とその周囲の人たちの関係性がこんなにも丁寧に、そして温かく描かれているのかと。 エンジニアという仕事をしていると、どうしても問題を論理的に解決することに頭が向きがち。でもこの本は、親子関係や人間関係って、そんなシンプルには解決しないんだということを静かに教えてくれます。特に子育てと親への感謝の話は、自分たちの世代が直面する葛藤をそのまま言語化してくれていて、ハッとしました。 義弟・颯斗というキャラクターも素敵で、こういう「傍にいて支える人」の存在って本当に大事だなあと感じます。無理に解決しようとするのではなく、ただそこにいる優しさ。 何度も立ち止まりながら読みました。それは物語に引き込まれているというより、自分の人生に重ねて考えさせられているから。そういう作品ってやっぱり好きです。瀬尾さんが「これまでの人生を全部込めた」という言葉も納得です。

感想

瀬尾まいこさんの『ありか』を読み終わりました。正直なところ、最初は慎重に進めていたんですが、一気に引き込まれてしまいました。 シングルマザーの美空と、彼女を支える義弟・颯斗との関係を通じて、親子の絆、兄弟の絆、そして「家族とは何か」という根本的な問いが優しく、そして深く描かれています。 特に印象的だったのは、子育ての苦労と喜びが率直に綴られているところです。親になることで親の恩がわかるはずだったのに、逆にわからなくなってしまう—その戸惑いと葛藤が、とても誠実に表現されていました。私自身、子育ての時代を経験した身として、その複雑な感情がストンと胸に落ちてきました。 キャラクター一人ひとりが生き生きとしており、どの視点で物語が進むのかも楽しみながら読めます。何度も立ち止まって、考えさせられる場面も多くありました。 著者が「これまでの人生を全部込めた」とおっしゃるのも納得できます。人生を重ねた読者だからこそ味わえる、深い感動がここにはあります。ぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊です。

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