れんの本棚
感想

本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』の続編という位置づけながら、前作では語られなかった三つの視点から物語を紡ぎ直す—この構成に惹かれて手に取った。 読んでみると、これは単なる続編ではなく、同じ世界を異なる角度から照らす作品だと気づかされる。編集者たちの葛藤を描いた「星を編む」は特に秀逸で、才能を世に出すために心血を注ぐプロフェッショナルの姿勢が丁寧に描かれている。仕事を通じて何かを成し遂げようとする大人の営みに、思わず共感してしまった。 各エピソードが前作の登場人物たちとどう繋がっているのか、そして自分たちの星がどう輝いていくのかを追い続ける喜びがある。四十代になると、青春時代に好きだった作品の続きを読むことの幸福感が一層深まる。島尾伸三は確かに話題の作家であり、この充実した文章世界にはまるのも納得だ。仕事の合間に何度も手に取りたくなる、そんな良質な読書体験だった。

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