和也の本棚
ぼくたちの告白

ぼくたちの告白

高森泉 / 高森 泉 宝島社 2026年7月3日

感想

久しぶりに一気読みしてしまった。『ぼくたちの告白』は、その名の通り複数の視点から語られる物語で、各キャラクターの告白が重なるにつれて事件の真相が少しずつ浮き彫りになっていく。最初は単純な転落死事件だと思わせておきながら、次々と仕掛けられた罠が明かされていく快感たるや。 管理職をしていると、人間関係の複雑さや隠された思惑についつい目が行くのだが、この本はそうした興味を存分に満たしてくれた。登場人物たちが抱える秘密や葛藤、そして本当のところは何なのかという問いが、読み進めるたびに形を変えていく。構成の巧みさが秀逸で、冒頭から仕掛けられていた伏線が最後に一気に決まる瞬間の快感は格別だ。 文庫本というお手軽さも相まって、通勤時間や休憩時間に少しずつ読み進められるのが気に入っている。ページをめくる手が止まらず、気づいたら徹夜してしまったほど。このミステリー大賞の隠し玉というのも納得できる傑作だと思う。

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