静かな読書の本棚
意味なんかないけど僕たちは光る

意味なんかないけど僕たちは光る

吉澤ハナ(まよなか) かんき出版 2025年3月5日

感想

SNSで話題らしいと聞いて手に取ってみた一冊。TikTokで1000万回再生という触れ込みは気になるところだが、実際に読んでみると、確かに今どきの読者に受けそうな雰囲気がよくわかった。 ショートエッセイ集ということで、心が疲れているときに拾い読みするのに向いている。「ひとりでいたいのに寂しい」とか「夜が一生明けない気がする」といった、誰もが一度は感じたことのある感情をすくい上げる言葉選びは確かに上手い。読んでいて、ああそういう気持ちあるな、と共感させられる場面が多い。 ただし、正直なところ深さや新しさという点では、自分が今まで読んできた人文書やエッセイと比べると物足りなさを感じた。優しく寄り添う文体も、繰り返し読むと若干ワンパターンに思えてくる。若い世代には心強い一冊かもしれないが、人生経験をそれなりに積んだ自分にとっては、慰めとしては機能しても、考えさせるまでには至らなかったというのが正直な感想だ。 気軽に読むには良い本だと思う。

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