近藤の本棚
感想

『汝、星のごとく』の続編ということで、前作を読んでいる読者向けの構成だと事前に理解して手に取りました。その判断は正解だったと思います。 前作では描ききれなかった三つの視点から、同じ世界を別の角度から照らす—プログラムの複数の処理を追うような感覚に近いかもしれません。「春に翔ぶ」では北原という教師の隠された過去が、「星を編む」では編集者たちの職業的使命感が、それぞれ丁寧に紡がれていきます。 特に仕事を通じた人間関係の描写が秀逸でした。編集者という職業への向き合い方が、エンジニアとして働く自分にも響くところが多くありました。才能を引き出すことの難しさと喜び、それが相手にもたらす影響—その複雑さが実感を持って描かれている。 ただし、前作なしにこれだけを読むことはお勧めしません。章立ての構成や背景の理解に若干の困難が生じるでしょう。順序を守って読む価値のある作品です。前作ファンであれば、さらに深い物語の層が見えてくる仕上がりになっています。

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