新聞の書評欄で目に留まったこの本、買ってみて本当によかった。人気脚本家が書いた初めての小説ということで、どんな作品かと興味津々でしたが、期待以上でした。 若くして亡くなった息子さんのことを、彼の妻と父親の視点から静かに描いていく。タイトルの「昨夜のカレー、明日のパン」という言葉からも想像できるように、日常のちょっとした出来事の中に、心が温かくなるような何かが隠れているんです。 悲しい出来事なのに、読んでいて不思議と幸せな気持ちになれる。それはきっと、周りの人たちの優しさや、何気ない会話の中に込められた「言葉の力」だからなんでしょう。脚本家だからこそ書ける、会話の魅力がこんなにも活きているんだと感じました。 夫を失ったテツコさんの心の変化も、丁寧に、でも押しつけがましくなく描かれていて、同じ年代の女性として深く共感できました。人生の様々な段階にある読者が、それぞれ何かを感じ取れる、そういう素敵な一冊だと思います。
最近登録された他の本の感想
2026年10月05日
最近、書店で話題になっているこの本を手に取ってみました。世界中で100万部を超えているというから、どんなに素敵な言葉が詰まっているのだろうと期待していたんです。 装丁は確かに素敵で、フルカラーのイラストがたっぷり使われていて、眺めているだけでも心が穏やかになります。登場人物たちのセリフや心に残る場面がまとめられているのですが、読んでいると懐かしい感覚に包まれました。 ただ、正直に言うと、特別に心がときめくような発見があったわけではないんです。既に小説で読んでいた方なら、改めてその魅力を確認できる一冊になるでしょう。でも、私のように初めて手にする人からすると、断片的な言葉だけでは、登場人物たちとの関係性や物語の深さが十分に伝わってこない気がします。 初版特典のしあわせカードは可愛らしいですし、コーヒーを飲みながらぱらぱらめくるには心地よい本です。ただ、これ一冊で人生がきらめく魔法を感じるには、やはり元の小説を読んだ方が良さそうだと感じました。
2026年09月22日
最近、テレビでもよく見かけるゲッターズ飯田さんの手帳が出ていると聞いて、さっそく手に取ってみました。68歳になっても、運気のことは気になるものですね。 この手帳は、五星三心占いという独自の占い方で一年を過ごすためのガイドになっています。毎日のページに細かく書き込まれた開運アドバイスは、実用的でありながらも、読んでいて心が明るくなるような工夫がされているんです。 特に良かったのは、単なる占い結果ではなく、その日その日の過ごし方のコツが具体的に書かれているところ。パート勤務をしている身としては、「この日は大切な話を避ける」とか「金銭管理に気をつける」といった実践的なアドバイスが、生活の中で本当に役立つんです。 サイン本というのも、特別感があって嬉しい。デザインも金色の鳳凰が入っていて、手帳とは思えないほど素敵です。占いを信じるかどうかは別として、毎日をちょっと前向きに過ごすきっかけになる一冊だと思います。
2026年09月17日
十二国記シリーズを読むのは久しぶりでしたが、この『幽冥の岸』は本当に素晴らしい一冊でした。パート先の同僚が話題にしていたので手に取ってみたんですが、期待以上でした。 収録されている四編の短編は、どれもが「生きるとは何か」という根本的な問いを突きつけてくれます。特に表題作の「幽冥の岸」では、麒麟という神聖な存在が人間らしく葛藤する様が切実で、思わず考え込んでしまいました。人を傷つけてしまった者が、どのように生きていくべきなのか——そういう問題に正解などないということを改めて感じさせられます。 異世界の設定なのに、どこか私たちの世界と重なる人間関係や道徳の問題が描かれているところが、この著者の素晴らしさなんだと思います。文庫本で読みやすいのも嬉しい。年を重ねてから読むと、登場人物たちの葛藤がより深く胸に響いてきます。話題の本として推薦されている理由がよく理解できました。何度でも読み返したくなる一冊です。
2026年09月06日
最近の本屋さんのコーナーで見かけて、シリーズ第2巻というのが気になって手に取りました。何といっても「推し」という言葉が今どきですし、こういう若い世代の流行りをついていくのも大切だなって思ってるんです。 読み始めたら、本当に面白くて止まりませんでした。探偵さんが不器用だけど必死で推し活をしながらミステリを解く、というこのお話の設定が秀逸です。顔が良くて、賢くて、料理までできるなんて、筆者さんのユーモアセンスが光ってますね。それにジャンクな手料理を作りながら事件を解くというシーンも、なんだか温かみがあって。 謎解きもしっかり用意されていて、ミステリとしても成立しているところが素晴らしい。単なる推し活ノベルではなく、ちゃんとした小説になっているんです。パート帰りの疲れた頭でも読みやすい文体で、ページをめくる手が止まりませんでした。こんな楽しい作品が新潮社から出てるなんて、出版界も変わってきたんだなあと感じます。次の巻も是非読みたいです。
2026年08月30日
YouTubeで話題になっているこの著者の本、ずっと気になっていたんです。前作の「四毒抜き」についての評判も聞いていましたが、今回の「四得摂り」はその続編とのこと。さっそく手に取ってみました。 正直、ここまで分かりやすく、そして実践的な食事の考え方が書かれているとは思いませんでした。米、魚・貝・肉、旬の食べ物、発酵食品という「四得」という概念は、複雑に思える健康食を本当にシンプルにしてくれます。私たち世代が若い頃に食べていた日本の食事の良さを改めて感じさせられました。 巻末の「身体と食の歳時記」も素晴らしい。季節ごとに何を食べるべきかが書かれていて、パート勤めで忙しい毎日の中でも、これなら続けられそうだと感じます。既に実践し始めて二週間ですが、確かに体調の変化を感じているんです。 同年代の友人たちにもおすすめしたい一冊。こういう実用的で、かつ今話題の本こそ、読む価値があると思います。
2026年08月22日
最近、本屋さんで目に留まった話題の一冊です。台湾人と新疆ウイグル出身の女性が、東京で出会い、心を通わせていく物語。こんな視点の小説があるんだと、新鮮な驚きを感じました。 著者の李琴峰さんは新しい日本語文学の旗手だそうですが、確かに独特の世界観があります。異国で出会った二人の女性が、言葉を重ね、想いを交わしていく様子が、とても静かで丁寧に描かれているんです。 ただ、複雑な背景を持つ二人の心情のズレが深まっていく過程は、読んでいて心が重くなる部分もあります。でも、だからこそ、現代に問いかけてくるものがある。家族や政治、セクシュアリティーといった簡単には答えが出ない問題に、正面から向き合った作品だと感じました。 文庫本なので手軽に読めるのも嬉しい。話題になっているわけが、この一冊を読むと納得できます。人生経験が豊かな年代だからこそ、より深く味わえる小説かもしれません。
2026年08月16日
テレビでも取り上げられているということで、図書館で予約して読んでみました。正直なところ、タイトルの「魔女の体力」という表現に最初は惹かれませんでしたが、読み始めたら一気に引き込まれてしまいました。 著者が40歳で運動を始めるまでの葛藤や、その過程でどう変わっていくのかが、本当に正直に、ユーモアを交えて綴られています。働く女性の疲れ切った日常って、年代を問わず多くの人が共感できるんでしょうね。私も若い頃の長時間労働を思い出しながら読んでいました。 何がいいかというと、著者が完璧に変身したわけではなく、少しずつ、時には後戻りしながらも前に進もうとする姿勢が素敵だなと感じました。説教くさくなく、押し付けがましくない。むしろ、今のパート生活の中でも自分のペースで体を動かすことの大切さを教えてくれた気がします。韓国で話題になるのも納得です。 人生経験が豊かだからこそ、この本の価値がわかるのかもしれません。
2026年08月12日
新装版が出ると聞いて、すぐに手に取りました。以前から気になっていた著者のエッセイ集です。 読んでみると、本当に素敵な一冊でした。著者の人生観が随所に光っており、一つ一つのお話が心にしみ入ります。手袋を探し続けるというテーマから始まるこのエッセイ集は、人生で本当に大切なものについて考えさせてくれます。 何より嬉しいのは、文字が大きく読みやすくなったこと。この年代になると、本を読む際に文字の大きさは本当に大事なんです。新装版のカバーも品があり、飾っておくだけで気持ちが良くなります。 著者の突然のご逝去の後も、この本を通じて著者の温かく凛とした視線が感じられます。ありふれた日常の中にある美しさや優しさを見つめる著者の眼差しが、こんなに時を経ても読者の心を掴んで離さないというのは、本当に素晴らしいことだと思います。 パート帰りのほっと一息つく時間に何度も読み返しています。お友達にも勧めたくなる、本当に良い一冊です。
2026年08月05日
最近、本屋さんでもよく見かけるこの作品、気になっていたので手に取ってみました。道尾秀介という作家さんの名前はテレビの書評番組でもよく聞きますからね。 詐欺師の二人組に少女が加わって、やがて五人と一匹の生活が始まるというあらすじ。最初はどうなることやらと思いながら読んでいたのですが、話が進むにつれて、各々の過去が少しずつ明かされていく仕組みはなかなか上手だなと感じました。 ただ、正直なところ、全体的には「可もなく不可もなく」という印象なんです。トリックや仕掛けにはそれなりに工夫があるのだろうけれど、私の年代には少々複雑に感じられてしまって。登場人物たちへの感情移入も、もう一歩というところでしょうか。 人気の作品だけあって、しっかりとした構成ではあるんですが、心に深く残るようなインパクトがなかったのが残念です。話題作だからと手に取るのも良いですが、もう少し自分の好みに合った別の作品があるかもしれないな、そう思わせる一冊でした。
2026年08月02日
テレビドラマで話題になってた「悪魔の弁護人」の原作だということで、つい手に取ってしまいました。御子柴という弁護士のキャラクターが本当に魅力的で、ドラマとは違う深さが小説にはあるんだなと実感しました。 高級介護施設での凶悪事件という現代的なテーマなのに、その背後にある心理描写が緻密で引き込まれます。一見、悪人に見える弁護士がどんな企みを秘めているのか、ページをめくる手が止まりません。法廷サスペンスとしてのドキドキ感もあり、同時に人間の深い闇について考えさせられます。 パート帰りの疲れた時間も、この本があるとついつい続きが気になって読み進んでしまう。こういう良い意味で時間を忘れさせてくれる本は、年を重ねるごとに貴重だなと感じます。シリーズものなので、これからほかの巻も読みたくなりました。講談社文庫は文字も読みやすくて、私たちの年代にはありがたいですね。
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